木村剛さんに聞きたい。読売からの仕事なくなっていいですか?それから野球すきですか?
感情なき経済屋
今週のはじめ7月11日に書いた脚色めいた手紙 の補足と、『週間!木村剛:近鉄vsライブドア:「感情論」と「勘定論」』へのトラックバックを兼ねる。
オーナー会議でも、選手会でも、ファンの間でも、「感情論」が先行しがちで、「勘定論」が忘れられがちのような気がします。もう少し冷静になって、会社も、選手も、ファンも、「win−win」の関係になるための知恵を絞るべきなのではないでしょうか。
オーナー会議なんて、自球団の勘定論のみ。選手会は話し合う場が欲しいと言っているだけ、ファンが感情を出さずして何がエンターティメントか。
球団が真面目に勘定論で経営戦略を考えると、それを阻害するルールにぶつかるだろう。どんなスポーツジャーナリストに聞いても名ばかりのコミッショナー、渡辺恒夫氏が牛耳るオーナー会議とプロ野球機構の規約に問題があることを指摘するはずだ。竜言日語さんも12人目のイカれる男さんも読ませていただき同意見だと思う。
なぜジャーナリストや知識人は公に合理的な意見を声高く主張しないのだろう。読売からの仕事がなくなるのが怖いか、読売からバッシングされるのが怖いからだと思ってしまう。それとも当り障りのないことを言って大人ぶってるのだろうか。僕にはむしろ彼らに感情がないような気がしている。
ファンからお金をもらう仕組みをどう構築するかを考えないと、ビジネスとして成立させるのは難しいと思います。 ぼくはアマチュアスポーツの対極にあるプロレスを、スポーツ関係者はもっと学ぶべきだと思いますね。あれだけいろんな団体がありながら、共存共栄している競技はちょっと他に見当たりません。しかも、選手のパフォーマンスを見て納得したお客様からいただく入場料で運営するという原理原則に、プロレスはのっとっている。
プロレスは所詮ひとつの営利企業の主催する興行に過ぎない。いかに面白い興行にするか頭をひねって実行する。営利企業が利益を追求するのは当たり前だ。選手も独立した個人経営的な存在である。他の団体からオファーがあれば出場するだけのことだ。小川直也がプライドに参戦したのも、ギャラと、自分と自分の団体の宣伝効果を勘定に入れているはずだ。
ところがプロ野球は一球団で興行するのでなく、相手チームとの対決が興行なのである。おもしろい興行にするかどうかは、球団努力だけのせいではない。一球団以外ほとんど赤字というのは、プロ野球全体に問題があるのであって、球団の勘定論では解決しない。従って渡辺恒雄氏をまともな人間に変えるだけではだめだ。彼は球団オーナーの立場で、プロ野球全体を考える立場ではないからだ。
小学生の頃、ゴールデンタイムに新日本プロレスを放送していたが、お決まりのメーンイベントに猪木が出てきて勝つというパターンに子供ながら1,2年くらいで飽きた(ちなみに見ている間は悪役のタイガージェットシンのファンだった)。K1やプライドの成功はそういったものの排除だと思っている。相撲協会が特定の部屋の肩を持つだろうか。Jリーグがどこかのチームをひいきするだろうか。公平なルールの上公平に試合をし、公平に放送する。これがスポーツの面白さで、アマチュアリズムでもなんでもない。旧来のプロレスがショービジネスとしてプロというのと、スポーツエンターティメントを演じる選手がプロなのは別次元の話だ。
「お客様を大事にしないとチームがつぶれる」ということを、選手にわかってもらわなければダメでしょうね。アマチュアスポーツになればなるほど“お客様”という発想がありませんが、選手は「オレが給料をもらえるのはサッカーがうまいからだ」と知らん顔をするのではなく、お客様に対してもっと心を開く必要があります。
これは、その通りだと思う。僕が球団経営者なら、選手を営業としてもっとこき使う。選手も営業活動をすることで、社会人として引退後にも役立つ能力を身に付けられる。レスラーだって営業活動に余念がない。
財務的な改善が必要なのは間違いないが、言われなくても分かってるはずで、そんな段階ではない。今は感情が必要なのである。ゆきだるま:MLBにあってNPBにない思想の中の言葉
「この“場”に愛情がある人でなければ、コンテンツをつくることはできない」
これが答えじゃないかと思う。愛情とか感情が無きゃコンテンツビジネスに携われないのだ。
「高慢オーナーが又、馬鹿なこと言ってる」と苦笑いする世論も、斜に構えたジャーナリストにも、読売のお世話になってる人、なりたい人にも解決できない。ましてや野球に対してなんの感情も持ち合わせてなければ尚更だ。そんなわけで自称近鉄ファンのある政治家に手紙 を送ってみた。自分で読み返す気も起こらないが、差出人の人格は多少脚色しました。
Posted at 2004年07月15日 00:33
7月15日追記
今日明けて、読売をのぞくセリーグの各球団が2リーグ維持を主張する報道があった。渡辺氏だけを悪人扱いしてもだめなのだ。どの球団も目くそ、鼻くそ。今までさんざんインターリーグに反対しておいて、1リーグ化が加速すれば妥協する。そんなチンケな妥協したって、減収がすこしましになる程度で、根本的な解決にならないし、パリーグの球団に死ねと言うようなものだ。自分勝手な球団の代表が集まっても、全体がいい方向に進まない。
サッカーはというと、国際サッカー連盟(FIFA)の下に日本サッカー協会(JFA)があり、その下にJリーグがある。Jリーグの運営は、オーナーの自分勝手な寄り合いにはならない。良くも悪くも一応チェアマンが仕切っている。昔、渡辺恒雄氏がチーム名に「読売」とつけさせろと言ったが、余裕で却下した。そう言えば、その時も渡辺氏は脱退して新リーグ作るぞと言ったが、無視された。
詳しい事は知らないので、Jリーグのホームページを見ると組織が分かりやすく明示してあるが、プロ野球機構のホームページを見ても、選手の情報ばかりで、てめえの情報はほとんど見当たらないところにも、プロ野球機構の組織としての未熟さが伺える。
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コメント
竜言日語 からコメント
トラックバック&コメントありがとうございました。
日本のプロ野球は、Jリーグに比べて統括組織が未熟だという指摘は大いに賛成です。
今回の合併は個人的には反対なのですが、プロ野球界の根元的な課題に焦点を当てることとなったという点では大きな意義がある事件なのかもしれませんね。
これをきっかけに、健全な発展がされることを望みます。
Commented at 2004年07月16日 01:33
12人目のイカれる男 からコメント
いや、すいません、トラックバック気づいてませんでした。
こちらでも言及されているように、この問題がオーナー同士のつまらない駆け引きだけで進められているように思えてならず、そのことにゾッとしてしまいます。俺たち、一体何を見せられていたたんだ?と。
私の応援するチームも合併の対象としてクローズアップされています。「9月にはもう一つの合併案が‥‥」と言われていたのが、くだんの親会社の再生機構送りが確実視されていたことを受けてのことだったとすれば、ウンザリするような話です。
不在の監督の名前ばかりが先行する五輪代表チームといい、ファンはただ踊らされているだけなのでしょうか。
Commented at 2004年08月09日 14:24