シンドバッドの土地にエピオルニスは飛んでいた。南無。
エピオルニス→エピキュリアン
エピオルニスAepyornis
マダガスカル島から化石が発見された体長3m、体重500kg以上の飛べなかったと推測される鳥。16世紀を最後に目撃情報はない。13世紀にマルコ・ポーロが象鳥(Elephant Bird)と伝えたのもこの鳥といわれる。(WIKIPEDIA:Aepyornis)
重量10キロ、長径30cm以上の卵を生んでいたそうで、最近でもマダガスカルにその破片が見つかるらしい。今いちばん大きいダチョウの卵でも1.5キロ。ちなみにもっとも小さいキューバ産ハチドリ科の小鳥の卵は、わずか0.03 グラムほど。(i-eatsite:笑おう)
世界に伝わる中東文学アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)は13世紀ごろにほぼ完成し、16世紀ごろまでにいくつかの物語が付け加えられて現在の姿になった。その中の有名なシンドバットの物語に出てくる巨鳥、ロック鳥のモデルになったともいわれている。物語ではロック鳥は空を飛び、バグダットの商人シンドバットを襲撃したり、彼を連れて飛んでダイヤモンドの山におとずれたりする。
シンドバッドは冒険するたびに財宝を手に入れるわけで、大変な金持ちです。貧乏人がそれをうらやんでいるところ、シンドバットはこれまでの苦労を聞かせてやると、貧乏人はうらやんだことを反省する。
18世紀にはじめてヨーロッパに紹介されるが、8、9世紀のアラブの商売について知る文献としても重要だった。シンドバッドが苦労して財をなしたという話は、当時のヨーロッパにおいて重商主義から資本主義への移行の手助けのひとつになったかもしれない。
いまシンドバッドの土地はロック鳥は襲撃しないが、別のもんが空から襲撃している。僕はそれを禁欲的アラブ文化と対照的なエピキュリアンと呼ぶ。国語辞書でエピオルニスの近くで見つかるのが運命的。エピオルニスをググッたらアダルトグッズが引っかかるのでご注意。
参考
池澤夏樹
「 シンドバットの冒険から見るアラビア商人の活躍と海上貿易」 山本昌子
エピキュリアン:酒池肉林を追い求める人。
Posted at 2004年07月16日 12:29
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この記事のタイトル: 鳥新聞: エピオルニス→エピキュリアン
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