愛しい野生
先日知人の引越しを手伝った。新品の赤いランドセルがあったので今春小学にあがる女の子がいるのだろう。玄関には檻に入れられたウサギがいた。僕は玄関を何度も往復したのだが、ウサギは通るたびにピョンと狭い檻の中を僕から遠ざかる方に飛ぶ。僕はなるべく脅かさないように狭い玄関のなるべくウサギから遠いところを通るようにしたのだが、律儀に僕が往復した分だけピョンと警戒する。この檻の中でも失わない細心の野生め。僕は妄想する。真新しいランドセルを背負った娘が泣き叫び、母親が「あんた何すんのよ!」というのを蹴っ飛ばし僕はウサギを連れ出し、「野原で一生警戒してろ!」と放つ。僕はどちらかというと猛禽類の味方だが、お前の警戒ぶりなら大丈夫。
Posted at 2005年03月15日 23:00
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