実家では猫を飼っています。
ドロドロの関係
実家に猫がいるといっても、猫にとって飯と排便と睡眠をする場所が僕の実家と言うだけかもしれない。結婚して家を出る前の姉が飼いはじめて虚勢手術だけはしたそうである。母に聞いても名前を知らない。母は動物があまり好きではないのだが、いつも餌をやる母にしかなつかない。平均的寿命を突破し12才になるらしいが、僕はその大半の期間めったに実家に帰らなかったので、僕の気配を感じると慌てて外に出る。
僕がペットと関わったのは、生まれてから小学4年までの間に犬を飼っていただけで、犬派と猫派を分けるとすれば、犬派になるのだろう。それに僕はスヌーピー通でもある。とはいえ猫が家の中をうろちょろしてると感心を抱く。母に餌をやる役を変わってもらい、餌をくれと「にゃーにゃー」鳴く猫に近づくと、猫の出入りする扉のそばに逃げ、警戒しながらじっと僕が餌を皿に盛るところをにらんでいる。僕がその場を離れないと、食べようとしない。
町内会のムツゴロウと言えるばあさんは犬を一匹、猫を3匹ほど飼っているらしい。もちろん僕だけでなくばあさんにもなつかない我が家の猫は、彼女のムツゴロウ魂を逆なでして、「この猫はまだ野良猫ね。フン」と言わせる。彼女によると彼女の飼っている猫は、自分の事を人間だと思っているらしい。猫に聞いたんか?
まあ野良猫と形容するのはふさわしいかもしれない。飯の時以外ほとんど見ることは無いのだが、僕がいないときは、たまに母に近づき体をすり寄せるようである。母はそれが大嫌いらしい。冬時は母のいるコタツに潜り込むのだが、僕がその部屋の扉を開くと、コタツからとことこ抜け出しとなりの部屋に移動する。ひどい嫌われようだ。事態はドロドロの三角関係の様相である。
ある日、餌をやる時間が遅くなり、よほど腹が減っていたのか、僕が近づいても餌の皿の前から離れない。餌をやると僕を気にせずガツガツ食い始めた。僕は初めて彼にふれると、一瞬身を低くしたが、食いつづけている。撫でながら僕は「すげー体毛してんなあ」と声をかける。そしたら半分ほど食べ残したまま出て行った。僕は猫の僕に対する敵対心を快く受け入れる事にした。
Posted at 2004年10月15日 23:01
関連記事(キーワード=「野生」)
2004年06月21日 ニューヨークのカモメなど
2004年10月15日 ドロドロの関係
2005年03月15日 愛しい野生
2005年04月05日 野生の思考と自己家畜化
2005年05月24日 帰宅
2005年06月05日 苦味という警戒心
2005年07月09日 猫語
2005年08月11日 野良牛
2007年02月01日 猫舌
前の記事へ「中毒」
〜中毒の皆さん。潔く中毒と名乗りましょう。
次の記事へ「反・戦争反対論」
〜「戦争が好きな人はいるのか」と質問を頂いたので書いてみる。 60億人にアンケートを取ったわけじゃないが、戦争を体験したり、見聞きだけでも戦争を知っていたら好きな人はいないと思う。軍事ネタや武器が好きな人も、花火などの火遊びが好きなだけか、ポ...
トラックバック
この記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
URL: http://eda.s68.xrea.com/x/mt/mt-tb.cgi/207