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語り口平衡システム

会話もそうだが、ネット上のコミュニケーションというのは、その語り口を平衡化させるシステムが働くように思う。

ガナり立てる人と穏やかな人同士が長く会話を続けていくと、両者の語り口が似てくるのではないか。というよりお互いそうするべきだろう。根気強く自分の語り口を続けていくと、お互い居心地が悪いので歩み寄りが必要だ。

なにも礼儀正しく、穏やかだから良いというものでもなく、無難ではあっても、時にはカジュアルな雰囲気に歩み寄らないと、「固い奴」と言われかねない。相手が熱くケンカを売っている場合においても、あまりに冷静に返答すると、相手側だけがバカを見ることになるので、多少は熱く返答した方が良いと思う。熱く語ることに関しては、多分技術が必要なので、あくまで無難なのは、冷静に語ることに間違いはない。

最近、論理的特長や文体や語り口を○○メソッドと呼び揶揄するモヒカン族界隈の人がいるが、（揶揄になっているのかなっていないのか分らないが）文脈上どうでもよいことであり、コミュニケーションにおいて、そのなんちゃらメソッドというのを受けたときに、あくまで無難に返答するのか、なんちゃらメソッドに歩み寄るのか、過去みんなそれぞれに判断し、対話してきたのだと思う。

知人の場合は、お互いの事をあらかじめ知っているので、居心地の良いコミュニケーションがとれるが、未知の人との対話においては、まずは語り口を平衡化することが第一歩であり、それなくしては、なかなか本題の議論においても平衡を保てず、平行線になるのだろう。

例えば、iwai氏がひとみん氏の「マックとウインドウズでは、いろいろ見た目が変わりますよね。それにファイルのやり取りで面倒な事が多い。＿|￣|○　ウインドウズ派な私としては、マックをウインドウズが買収して、ウインドウズ統一国家になる事を望んでいます。（小市民な野望）」という発言に対して、

Web 業界の最近の潮流はユニバーサルデザインとかそういう方向なので、冗談にせよそういうことを書くと、ぜんぜん解ってない自称 Web デザイナーだと思われる可能性がある気がしました。

と書いておられ、これに対して、otsune氏が多方面からの添削を試みておられる。

もし倫理や感情を廃するモヒカン族的な言及なら、「Web 業界の最近の潮流はユニバーサルデザインとかそういう方向だと思います。」だけになるだろうし（つまんね）、語り口平衡システムが働くなら、「ウインドウズがハッキング攻撃にでもさらされ、マック統一国家になる事を望んでいます♪（テロリストな野望）」という感じの言及になるのだと思う。

Posted at 2005年08月04日 00:03

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