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格闘技の誠意

K1が脚光を浴びはじめた頃、日本人だ外人だとか、ヒーローだとか悪役だとか、試合の展開だとか、ドラマチックな逆転劇とか、マイクパフォーマンスとか、関係なしに面白かった。その頃のプライドは、高田をヒーローにしたかったのか、ただグレイシーに対して高田の弱さをさらけるだけだった。どうしてグレイシーとおもしろい勝負の出来る対戦カードを組まなかったのだろう。プライドは高田の引退とグレーシー一族と、桜庭の出現に本当に感謝しなくてはならない。おもしろいガチンコ勝負を見せる格闘技の誠意を得たと思う。

それに対して現在のK1は木村氏の言うように見世物路線と言ってよい。(週刊!木村剛:ミルコの締め技に感動しました!)

私のダメ出しは、「K-1 PREMIUM 2004 Dynamite!!」の曙vsホイスグレーシー戦ですね。頼むから、これ以上見世物路線に行って欲しくないと思っています。

どれほど曙ファンやボブサップファンあるいはバンナファンがいるか分らないが、メーンイベントの9試合目(●曙VSホイス○)、8試合目(ボブサップVSジェロム・レ・バンナ:引き分け)が面白いファイトと言えるのだろうか?プロモーションを取り除けば、最近の朝青龍と魁王などの対戦の方が10倍いいファイトだ。ルールも選手の練習もガップリ対決だからだ。今場所の魁王ときたらもう3敗しやがったけど

サップ対バンナは象徴的に泥試合であった。キッパリ言うが、あんな試合を喜ぶ奴は白痴だ。見世物というのはバカを相手にした商売である。K1ルールと総合ルールをラウンドごとに入れ替えることで、結果的にドローになったが、ラウンド毎に一方的な攻撃と防御を交代で繰り返していただけだ。ああいうのを喜ぶ連中を大宅壮一は一億総白痴化と言ったのだと思う。

前回のK1グランプリでも書いた 事だが、メーンイベントたる決勝があんなにつまらなくてよいのだろうか?プロデューサーの谷川は、決勝前に傷ついたボンヤスキーと疲れきっていた武蔵を見て、コレは面白くなるなあと思ったらしい(後日、夜のスポーツニュースで言っていた)。選手諸君。傷ついたもの同士戦うより、谷川の野郎をいっぺんボコボコにしたれや!と思った。

僕は格闘技がKOじゃなきゃつまらないとか、筋書きのないショーであるべきと言うつもりは無い。面白い映画や芝居は何度見てもおもしろい。オタクがショーとしてプロレスを楽しむのは健全な事だ。見世物でもなんでもなくひとつのエンターティンメントだ(僕は見ないけど)。K1の魅力はそういう類のものではなかったから僕は好きになった。

僕は異種対戦と言うのが、どうも好きになれない。勝負の予測が難しいので、観客の期待を高める効果はあると思うし、まあ個人的な趣味の問題かもしれないが、選手はどう思ってるんだろうか?負けたらすっきりしないんじゃないだろうか?少なくとも僕はどちらを応援するわけでもなく、ただ負けた選手が気の毒に思う。試合を見た後すっきりしない。本来K1の立ち技系の選手は姿勢を伸ばしたフットワークでパンチや蹴りに備え、レスリングや柔術系の選手は、重心を低くしてタックルに備える。何百時間とトレーニングしてきた土俵は別のものである。今回のK1ダイナマイトを少し振り返る。

[●シリル・アビディVSボビー・オロゴン○]
ボビーはバラエティー番組出身で柔術系のトレーニングを始めて1年であるが、K1選手と戦わせても、ボビーの真価は分らない。
[○秋山VSボタ●]
秋山のデビュー戦であったが、これも元ボクサーのボタ相手の総合ルールでは、話題性だけのことで、秋山の真価は分らない。どうせなら初心者同士ボビーとやらせればよい。話題性に乏しいがアビディVSボタの方が見ごたえもあっただろう。
[○藤田和之VSカラム・イブラヒム●]
現役の金メダリストでエジプトの英雄であるカラム・イブラヒムが継続的にK1のリングには上がってくれないだろう。これも見世物だ。

そして8試合目、9試合目も話題のある選手、人気のある選手を引っ張ってきて、勝負の予測が難しいように組み合わせてルールを決める。それは継続的なエンターティンメントとしても僕は手抜きだと思う。話題のある選手、人気のある選手というのはK1ルールで、リングに上げて戦わせて育てるべきだ。サップも曙も素人のうちじゃないのか?この一年間に彼らを強い相手と対戦させて、彼らが勝ち進み、客に「こいつは強い」と思わせてきたのか?

なぜマークハントやミルコがプライドに参戦するようになったか分からないが、K1ルールでやってこそ面白い試合の期待できる彼らを「強い」と格闘技ファンに認知させて来たのは間違いなくK1の功績であるのに、よその団体に取られるのは間抜けとしかいえない。

一応、プライドのヒョードルVSノゲイラの試合には大変満足したが釘をさしておく。以前に「プライド 」で書いたように小川を引っ張り出してきて、負けてもマイク持たせてハッスルポーズさせるようでは、格闘技ファンを失望させる。

Posted at 2005年01月12日 23:58

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コメント

ドルジ からコメント

谷川は人の知名度を悪用して視聴率を稼ぎたいだけ。あんなスポーツを私物化している人間はいつかは罰が必ず当たる。

Commented at 2005年03月06日 12:52

千代大海 からコメント

谷川は人の実力無視。人を馬鹿にしてるとしか思えない。だまされていると気づいたら選手が逃げるのは当たり前。

Commented at 2005年03月06日 12:53

北の湖理事長 からコメント

人の知名度を乱用する人間は必ず後で痛い目にあう。谷川は新弟子を育成する気はないのか。K-1では練習不足の初心者が、なぜあんな高いレベルの試合に出る必要があるのか?視聴率を稼ぎたいだけで、人を馬鹿にしてるとしか思えない。強いとか弱いとか勝てる勝てないの問題ではない。選手を1から鍛えさして、レベルに合う試合をすればいいんじゃ。そんなのをしない谷川が批判されるのは当然の神からの天罰である。

Commented at 2005年03月06日 12:58

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