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集中と分散

コンピュータの歴史では、割と集中と分散を繰り返そうとしている。処理も機能もホストと呼ばれる大型コンピュータによる集中だったものが、ワークステーション、パソコンの処理能力が発達した事で、サーバーとクライアントによる分散型となった。クライアントの増加に伴い、イントラネットとかJAVAがトータルコストの削減をセールスポイントに集中管理を市場に提案したものの、ネットワークインフラと半導体の成長と低価格化に勝てなかった。先週、日立が全社でパソコンを廃止する方向性を発表した。コンセプトは従来のような集中管理によるコスト削減を売り物にしているのでなく、情報漏洩や消失などのリスク管理を売り物としている。個人情報保護法の本格施行の時節柄よい提案だ。

日立製作所グループは社員が業務で利用するパソコン約30万台を全廃し、情報漏えい防止型のネットワーク端末に切り替える。新端末は内部に情報を一切保存できず、盗み出されても顧客情報や製品開発情報などが流出する危険がない。(日経2005年1月3日)

詳しい仕様は分らないが、日立は新型端末の外販を計画しているそうだ。僕は現在のパソコンで出来ると思うし、中途半端な端末ではさほど売れないと思う。昔オラクルも同じような事を提唱してボツになった。管理者がユーザーの権限を奪いたい気持ちは分るが自由を得たユーザーからそれを取り上げるのは困難だという事だ。集中か分散かといった単純なシステム構築ではなく、いかに権限を分散させながら、全体のリスクを抑えられるかを考えるべきだと思う。それはソフトウェアで出来るはずだとも思っているが、もしかしたら法律による規制の強化がユーザーの権限を奪う事を可能にするかもしれない。

コンピュータシステムであればデータや知識などの資源を二重化したりバックアップをとることができるが、社会システムの場合、資源のバックアップを取る事は困難である。三位一体と言われる地方分権よりも、災害大国の日本ではリスク管理を十分に見直すことが先決であると思っているのだが、下手に権利を分散したら、二度と取り戻す事は出来ないと肝に命じたほうがよいと思う。機密漏洩がその企業全体に悪影響を及ぼすように、負け組の地方から、わんさかと漏れる何かが日本全体に悪さしそうな気がする。考えすぎっていうか深く考えてませんけど。

Posted at 2005年01月13日 00:03


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