僕は見知らぬ人間の命よりも、ツバメの好きなフェチ野郎です。あなたは?
満たされた時代の価値観
本誌は「アンチヒューマニズムで、鳥テイストな新聞」を目指している関係上、鳥情報の収集に余念がないながらも、余力が乏しいのが困ったところです。
実際にニワトリをたくさん飼って鳥情報が満載の玉子の距離のエントリー、食べものを分け合うということを読み、ついコメントを書いた。
お金に価値があるのでなく、玉子に価値があるのです。
実際に鳥をたくさん飼ってらっしゃる方が、一番その価値を知っているはずのことなのに、失礼なことを言ってしまったかもしれない。書いた後にいろいろと思いめぐらすことになる。
特に僕のように消費するだけの生活をしている人間には、物の価値など分かりゃしない。水も安いし食料も安い。安くても高くてもその価値は変わらないのに、気が付かない。アメリカ牛が入らなくなると、他のものを食べる。日本で米が不作ならタイ米を食べる。マーケティングや経済学上の価値(Wikipedeia)を問題にしているのではない。絶対的な価値の問題だ。だけどそんなものないのかもしれない。
資本主義下の大量消費社会で、満足感がインフレを起こしてしまうくらいならいいが、物の価値というものを見失っていないだろうか。物の価値を見失うということは、それに関わる人間の価値も認めないということにもなり得る。
僕は、交番にある交通事故の掲示板や新聞の報道で10人死んだとか20人死んだと知ってもなんとも思わない。だけど毎日成長を眺めている隣の家のツバメの巣のヒナ が死んだら、悲しい。もし近所のガキンチョがヒナをいじめてたら、そのガキをボコボコにするかもしれない。それで怪我でもさせようもんなら、「ガキンチョや他人の死亡人数より、ツバメのヒナの方が好きなんだもん。」と主張する犯人に対して「鳥フェチ男、子供に狂気の暴行。弁護士、精神鑑定を請求」とでもなる。
最近、菜食主義者でスーパーエコロジストのポールマッカートニーの記事を読んだとき、象徴的に感じた。ポールマッカートニーに対する記者の見方もたぶん、エコロジーフェチと見ているのだ。彼がホテルの部屋にユリが活けられているのを見て驚愕するのは、僕にも共感できないが、彼が彼独自の価値観を持つことは、不思議でもなんでもない。マイケルジャクソンも、裁判沙汰になっていることは判決を待つとしても、彼が物質的に満たされた生活のなかで、独自の価値観を持つことも、当然なのかもしれない。
今、日本人は何に価値を見出しているのだろう。玉子焼でもない。銀シャリでもない。バナナでもない。命でもない。満たされた時代の価値観はフェチシズムに向かうのかもしれない。エコロジーとか、少年とか、ツバメのヒナとか、
つづく:次を読む
Posted at 2004年08月08日 23:53
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コメント
まきこ からコメント
TBありがとうございます。
私は鳥もかなり好きですが、実は虫もかなり好きです。
はは。こういう話なわけではないことはわかっていますが、「あなたは?」につい反応。
たぶんedaさんにしてもポールマッカートニーにしても、私もですが、そういう価値観が絶対的ではないことを認識していると思うのですが、人間至上主義のかたはどうも、人間が一番大切だというのを自明のことのように思っていらっしゃるようで、そこが苦手です。
人間のエリアに入ってしまった虫は殺して当然なのか?
そもそも人間が虫のエリアに侵入してきたのではなかったか?
なんちゃってね。
Commented at 2004年08月09日 00:47
eda からコメント
虫ファンっすか。なかなか、ファンキーですな。
玉子と僕の距離はおかげさんで結構近く感じてます。
Commented at 2004年08月10日 00:36