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ブログという独裁の実現

国に公職選挙法について質問されていた町村氏に電話で回答がきたそうである(Matimulog「総務省の回答」)。そこで町村氏が仰っている「公示前後を問わず、選挙運動とみなされる行為は禁止されているという点で同じではないか」というのは、ブログと公職選挙法 について書いたときから僕は思っていた。それを書いたのは公示前であったし、前の参院選挙の時は政治家のサイトを見なかったので、候補者達は更新を停止するだけでなく過去の記事そっくり非公開にするのかなとも思っていたが、2000年の論議を読んだかぎり、やはりその時に書いたとおり、公示前に書いたものであれば何でもOKという解釈が通っている。

ネットにおいて古い記事と新しい記事に、古新聞と新聞ほどの違いは無い。検索結果やソーシャルブックマークによって過去にかかれた記事にスポットライトがあたる事が良くある。過去に書かれた候補者や政党の批判、応援記事を集中的にブックマークしたり、大手サイトがリンクすることで、公示期間中に大勢に頒布する事は可能であろう。良くも悪くも組織ぐるみで人気リンクを操作する事もできるわけである。選挙運動として書かれなかった記事でも、リンクによって選挙運動的に利用する事は可能である。したがって公示前に良くて、公示後は一切禁止と言う解釈はナンセンスというか規制がめざす効果が乏しいと思っている。

小倉氏が公選法についてかかれている記事は、僕がこれまでに書いた解釈と大して変わらないと思うが、将来像に関しては以下のように書いておられる。

ある種のブロガーに対して報道及び評論を掲載する自由を認めていく方向での改正というのが精々なのではないかという気がしてなりません。

そのあとにブロガーに問われる責任について書かれているので、内心は非現実的だと思っていらっしゃるのではないかと思う。

僕は「ブログは新聞の代わりになりたいんか? 」という記事では「まずは148条が非営利の組織も認めるような改正を求めるか、単純にネットによる選挙運動を認める改正を求めるのが、ネットでの公示期間中の言論を自由にしたい人が取るべき一歩だと思う。前者の場合は、もちろんその非営利の組織にも責任と信頼という担保が必要であり、後者の場合は候補者の平等をどうするか多くの条項との整合性が問題だろう。」と書いたが、候補者のネットでの選挙活動を認めるだけでは、非候補者が自由に書けるようになるとは限らない。もちろん足腰不自由で、街頭演説や地域の候補者の公開討論などに出向けない人にとって、ネットで候補者の主張が見れるので、それだけでも良いと思うが、ネットで一般の人が自由な論評を発表するには148条をいじるのが妥当だと思う。

この辺は個人情報保護法とも関連してくると思う。この法律も新聞・雑誌も規制対象だったのだが、マスコミの談合というか共闘によって、マスコミは個人情報保護法の規制対象外を何とか勝ち取ったのである。もしかしたら取引があったかもしれないが、マスコミの口を封じられるよりよかったと思う。ブログはもちろん新聞・雑誌ではないので、規制対象である。

僕はある殺人事件の犯人の酷い個人情報を偶然もっていたことがある。犯人の嫌な人格がわかる割と説得力のある内容で、それを僕はマスコミに売った。被告とはいえ、そんな情報をブログで公開しようとは思わない。仮に僕がキャバクラでも行って、隣で日本を代表するような政治家が、札束ちらつかせてセクハラ三昧していてるのを目撃しても、ブログでは書かないだろう。個人情報保護法に違反するからとカッコよく言いたいところだが、マスコミに売ったらこずかいもらえるんだもん。

小倉氏が言う「ある種のブロガー」に認めるというのは、「ブロガー」が個人である限り無理だと思う。ネットというのは、一つの行為に対する結果が、当事者の想像以上に増大する。ファイル交換で何の気なしに違法ファイルをアップロードしたら、ダウンロードされた数だけの莫大な個人が負いきれない責任が発生しうるのである。本当は想像しなきゃいけないのだけど、子供が人を刺したら死ぬという想像力が欠落しているため刺してしまうというのがネットの現状だと思う。つい最近もネットは自由だみたいなこと言う割に、うそ臭い記事を書いておいて、あちこちトラックバック送るブロガーがいてムカついたばかりである。

個人的には、おもしろい政治論評が書けるなら、新聞にでも投書しろやと思わなくは無い。面白ければ載せてもらえるだろう。個人ブログというのは独裁である。もちろん僕も面白くも無いことを独裁で掲載している。独裁には独裁の面白さがあるだろうし、なによりも誰でも独裁者になれることが快感なのかもしれない。

JANJANとかLivedoorでも市民記者みたいのを募集していたと思うが、そんなもんになるつもりは僕は毛頭ない。平日の昼間は組織の一員として社会生活を営んでいるが、ブログでは独裁を楽しんでいるのである。影響力など求めていないし、意図的に信憑性が乏しい書き方をしたりもする。

韓国ではネットによる影響力が高いという話があるが、ひとえにOhMyNewsが他の新聞社と同等の信頼と影響力を得たという事だと思う。OhMyNewsに独裁は無い。複数の人で運営され、記者が書いた記事ももちろんスタッフが目を通してから掲載している(多分)。

追記

木村剛氏が公選法に対して、見解を表明されている。以前にも書いたが、現行の法でも気を使って慎重に書けば大丈夫だということだ。プロと素人の違いは慎重であるかどうかにもあると思う。僕が木村氏の公職選挙法に関する一連の記事で気に食わないのは、「自由」を強調している事である。木村氏は有名人だし、人気ブログであるのでド素人の読者ブロガーを、間違った方向に煽動していると感じる。強調すべきは「慎重」に書くべきだということだと思う。「自由」を扇動する事は簡単である。みんな自由が好きだし。

続いて週刊誌に関する記事は、「イッシぃーblog.com」で言うところの『いらない』情報だろう。マスコミが鼻糞だからと言って、目糞なブログにマスコミが持っている権利をよこせとは言えないだろうし、そこで触れられている週刊誌が公職選挙法に黙認されていると書かれているが、そもそもそれが公職選挙法が扱う問題なのか、実際に警察が黙認しているのか疑わしく、それ以前に佐藤ゆかり氏が黙認するか否かが第一義であろう。ブログだっていらない情報はあふれている。大きな違いは雑誌は有償で配布していることもあり、僕なんかはめったに読まないし買わない。

木村氏が私恨を独裁的にマスコミバッシングをブログに展開するのは面白いとは思う。

他にトラックバック送った所:GripForum「公職選挙法の違反とブログについて」

Posted at 2005年09月06日 23:15

関連記事(キーワード=「公選法」)

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2005年09月03日 マスコミへのひがみ
2005年09月06日 ブログという独裁の実現
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