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ピンクの季節

最近、近所のベランダにピンクの下着が乾してあるのを一定周期で見かける。一定周期というものの、毎日観察して、出現間隔を算出して言っているわけでない。

ピンクの下着といっても、固有の下着なのか、複数のピンクの下着なのか識別するほど凝視しているわけでない。

ピンクの下着に興味があるわけでなく、ピンクが目立つだけである。朝必ず目を向ける窓の正面の景色に時々見慣れぬ彩色が加わっているのである。

年頃の娘が最近になって色気づいたのか知らないが、僕はただ、窓の向こうの電線にスズメかなんかが止まってないかなーと、その窓から外を見るのが習慣なのである。

窓の外には柿の木もあり、年に一度の周期で柿の実が色づくことはある。そこには毎年のように季節への驚きがあるのである。

年に一度というサイクルに色づく柿色と、月に1度か2度というサイクルで色づくピンクに同様の驚きがあっても変態ではなかろう。

僕は実をついばに来る鳥たちを寛大に受け入れる柿の木を素敵に思うのである。柿の木だけでなく、いろんな果物や花は鮮やかな目立つ色彩で鳥や虫を勧誘して、種や花粉を配達してもらう。

今仕事で手段が目的と化している事業に携わっていて、違和感を覚えているのだが、植物が実や花をつけるのは種を撒き散らすという目的のための手段である。植物の一生というのは、種を作ることだけでなく、実を作ること、花を咲かせること、栄養を摂取することなど目的も手段もバランスよく行っているのである。

僕は種無しスイカなんて嫌いである。手段が目的と化した最たるものであり、そもそも当人(当スイカ)にしてみれば、「種無し」などと呼ばれることは屈辱であろう。ドロドロしたようなテレビドラマでも、そう呼ばれた男は怒っていたよ。

僕はピンクの洗濯物に、鳥たちが集まりついばまないかと、次に訪れる周期を待っている。

Posted at 2007年03月01日 23:48

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