アバンギャルドなロックンローラー
ロックの生まれた50年代は腰振ってセクシーに歌っただけで大人からは眉をひそめられる存在であり、60年代はラブ&ピース&ドラッグ&セックスな自由奔放なヒッピーに大人はしかめ面をする。70年代は失業者の破壊衝動的なパンクに大人たちは嫌悪する。パンクブームの火付け役であったセックスピストルズのジョンロットンが「ロックは死んだ」と発言するまで、約30年で幕を下したのかもしれない。
これらロックで表現してきたものは、世に逆らい訴え続け、それを獲得してきたように思う。ロックという商業が成り立っていた国々には、現在は平和もドラッグもセックスも暴力もかなり自由に流通しているように思われる。
ベトナム戦争の頃のロックミュージシャンは自由を求めて反戦コンサートを開いたそうだ。それはメッセージの発射であったのだろう。そのメッセージを観客は受け取り共有しただろう。
ロックが死んだ以降の80年代に行なわれたチャリティーコンサート(ライブエイド)ではお金を求めて寄付したそうだ。最近行なわれた、チャリティーコンサート(ライブ8)は皆の声を求めているようだ。チャリティーの意義はともかく、イベントとしてはそれほど面白いものとは感じない。深刻なテーマを背景に参加者はイベントを楽しむ無粋。参加者はメッセージを受取るのでなく、イベントに金や声を要求される立場になった。
もしロックなミュージシャンがまだいるなら、もう十分自由社会なので、「不自由」を求めてコンサートを開いたらどうだろう。サビの所だけ歌わないとか、照明もアンプも使わないとか。すげー前衛的。ロックには非常識的な驚きがあったはずだ。
僕は音楽は大好きだし、いいメロディーを作る人、いい声してる人を無条件で尊敬している。今回のライブ8で言えば、ビョークはシュガーキューブ時代のアルバムまでさかのぼって聞いているくらい好きだ。ライブ8のスタッフパスをもらったにも関わらず、ライブは一切聞かず、ミュージシャンの記者会見だけに参加したという人がいて、単純に僕は驚いた。
そのmaki氏はLive8 reportといいつつ、当然コンサートのレポートは一切ないアバンギャルドなレポートである。記者会見に参加すると、ライブは見れない事情だったようである。でも、アフリカ救済というライブの性質上、記者会見を選択したmaki氏こそロックンローラーな判断だったと思う。
Posted at 2005年07月17日 23:56
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