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テロから戦争

先月、イスラエル政府がガザ地区から入植者への退去を命令し、テロも減るのかなと思っていたら、退去が完了した今月お互いにミサイル打っている。戦争になってんじゃんか。

イスラエル軍は27日夜から28日未明にかけて、パレスチナ自治区ガザ地区への空爆を続けるとともに、ガザ地区北部を砲撃した。 イスラエル軍による地上からのガザ攻撃は、今月12日の同軍のガザ撤退後初めて。この攻撃によりガザ市のほぼ全域が停電した。(中略)パレスチナ自治政府の治安当局者によると、イスラエル軍の攻撃による死傷者はいないという。一連の攻撃に先立ち「イスラム聖戦」などの武装組織は27日、ガザ地区からイスラエルに対する攻撃を停止すると宣言したが散発的な攻撃が続いている模様だ。(読売新聞9月28日)

9月12日に38年にわたるイスラエルのガザ占領が終結し、全域が自治区となったが、自治政府には全く力がない。一方ハマスを筆頭にイスラム原理主義の武装組織はいくつも存在し、これらがイスラエル領にミサイルを打ち込んでいる。

自治政府とはいえ、制空権などはイスラエルが有しており、イスラエル人のいないガザでは、イスラエルにとって、空爆はやり放題である。一方イスラム原理主義にとって標的はボーダーラインの向こうなのでテロは無効である。

和平交渉はハマスを排除しており、ガザの治安のために自治政府を強化したのでは、傀儡政権とみなされ、状況は良くなるとは思えない。イスラム原理主義組織は悪さばかりしているわけでなく、社会貢献的な活動もあり、何よりも力を持っている故、パレスチナ人の支持を得ているので、イスラム原理主義抜きではパレスチナ国家の設立はまだまだ遠いと思う。

戦争はある意味において外交だろう。ミサイルを打ち込むという事は外交である。イスラム原理主義を標的にミサイルを打ち込むなら、それは外交相手と見るべきなのである。今行われている和平交渉も大変だとは思うけど、パレスチナ人の支持を得ている組織と自治政府との2枚舌というか、楽な相手と交渉やっているだけで、本当に外交する相手を無視してると感じる。


以下ソース引用

パレスチナ人4人死亡、ハマス報復宣言、イスラエル関与否定(ロイター9月6日)

ハマスに参加していることで地元で知られるパレスチナ人家族の自宅が5日爆撃され、少なくとも4人が死亡、36人が負傷した。近隣の家屋2軒も破壊された。 ハマスはイスラエルに報復を宣言しているが、イスラエルは関与を否定している。 ハマスのスポークスマンは、「われわれの情報では、イスラエルのアパッチ・ヘリが住宅内の人々を標的としてロケット弾を発射し、4人が死亡した。このうち少なくとも2人はハマスのメンバーだった」と述べた。

イスラエル政府ガザ占領の終結宣言(共同通信9月12日)

イスラエル政府は(中略)、1967年の第3次中東戦争でガザ地区を支配下において以降、約38年間にわたった占領の終結を宣言した。(中略)しかしイスラエルは今後もガザの制空、制海権を維持し、ヨルダン川西岸では大規模入植地併合を画策、和平進展の突破口となる可能性は低い。米国をはじめ国際社会は、撤退をパレスチナ国家樹立を目指す新和平案(ロードマップ)再生の好機として歓迎。

ハマスの集会で爆破。10人が死亡、約60人が負傷。イスラエルは関与を否定。(時事通信9月24日)

ハマスの集会中に爆発があり、ロイター通信によると、子供2人を含むパレスチナ人10人が死亡、約60人が負傷した。イスラエル軍がガザから撤退して以降最悪の犠牲者数となったが、同軍は関与を否定している。集会にはハマス支持者ら数千人が参加。イスラエル軍の無人機が上空に飛来していたとの目撃情報もあるが、爆発原因は不明だ。これより先、同軍部隊はヨルダン川西岸のパレスチナ自治区トルカレム近郊の村で、イスラム原理主義組織「イスラム聖戦」を標的とした掃討作戦を行い、活動家3人を射殺した。これに反発したパレスチナ過激派が、ガザ地区からイスラエル領内にロケット弾数発を撃ち込んだが、負傷者などはなかった。

パレスチナ武装勢力ロケット弾を発射。イスラエル人五人負傷(時事通信9月24日)

パレスチナ武装勢力は24日未明、ガザ地区北部から20発以上のロケット弾を発射、イスラエル南部の町スデロトに着弾してイスラエル人5人が負傷した。これを受け、同国軍ヘリコプターが12日のガザ撤退完了後初めてとなる空爆をガザに加えた。2月以来の停戦やガザ撤退で情勢は落ち着いていたが、同軍が23日にヨルダン川西岸でイスラム原理主義組織「イスラム聖戦」の活動家3人を射殺。反発した武装勢力が同日からロケット弾攻撃を再開し、急速に情勢は悪化した。

イスラエル軍が空爆。パレスチナ人2人死亡、3人負傷。(読売新聞9月24日)

イスラエル軍はガザ市でハマス活動家が乗った車を空爆、少なくとも2人を殺害したほか、同市などにあるハマスの武器製造拠点を空爆、パレスチナ人3人が負傷した。また、国防相は「過激派暗殺作戦」の再開も検討中という。(中略)ハマスは自らの武装闘争がイスラエル軍の撤退をもたらしたことを誇示するため、ガザとヨルダン川西岸で、連日のように軍事パレードを実施。ロケット弾や自動小銃などを抱えて行進するなど、豊富な武器を誇示している。一方、治安筋によると、ガザの自治政府治安部隊約4万人のうち、武器を所有しているのは3割程度。稼働できる戦車や装甲車もなく、武器・弾薬も慢性的に不足している。2000年以降、治安部隊を過激派への人材供給源と見なすイスラエル軍が、徹底的に破壊したためだ。イスラエルは、ガザが過激派の根城になり、自国の安全の脅威になることを恐れる。「ガザにもはやイスラエル人入植者がいない以上、過激派への攻撃はしやすくなった」(地元記者)との見方もあり、軍事作戦がこれまでより激烈なものになる可能性もある。

ハマス幹部、停戦を宣言。イスラエル軍空爆パレスチナ人1人負傷。(読売新聞9月26日)

イスラム原理主義組織「ハマス」最高幹部のマフムード・ザハル氏は25日、ガザ地区で記者会見し、「(軍事)作戦の停止を宣言する」と明言し、イスラエル国内に向けたロケット弾攻撃をやめ、停戦を継続する意向を表明した。(中略、イスラエル)軍は26日もガザ一帯で、パレスチナ過激派の武器製造・貯蔵拠点などへの空爆を続行、パレスチナ人1人を負傷させた。

Posted at 2005年09月29日 23:59

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