鳥の先祖
Hotwired:自然の叡智に学ぶ――バイオミメティックスの無限の可能性(2004/11/9)
今年に入り、ペンシルベニア州立大学におけるバイオミメティックスの研究者たちが、モーフィング翼(morphing airplane wing)という、航空機の飛行速度やその継続時間に応じて形状を変化させる翼の構想を明らかにした。
この翼は、鳥からヒントを得た――種々の鳥は、飛ぶときの速度に関連して異なる形の翼を持っているのだ。しかし、その形状や飛行機の翼の基礎を成す構造を変化させるためには、それを覆っている表面も変化させる必要がある。そこで研究者たちは、魚からアイディアを得た。表面の隣り合う部分が互いにスライドするようなうろこで翼を覆うのだ。2つの設計上の問題がバイオミメティックスで解決された。
鳥の翼と魚のうろこを参考に航空機の翼を研究していることは以前 にも取り上げたが、もともと鳥の羽毛は恐竜のうろこから進化したものだと言う説が有力であったが、最近は恐竜と同じ爬虫類を祖先とするものの、恐竜とは別のながれで進化したと言う説もある。
今年、中国科学院の徐星教授は中国のリャオニン省で発見されたミクロラプトル(1億2400万年前)という羽毛を持つ肉食恐竜の化石を根拠に、その飛び方について発表し、羽毛恐竜が鳥類の祖先だとしている。日経「鳥の祖先の恐竜、翼と尾の一体化で揚力・中国の教授が新説」
彼は2000年にも「ネイチャー」に鳥類の恐竜起源説を支持する論文を発表しているが、同じ年の「サイエンス」に掲載された同じく中国科学院の張福成と周忠和の論文では、ホーペイ省で発見されたプロトプテリクス(1億2000万年前)という、原始的な鳥類であるエナンティオルニス類の化石から、これまで発見された化石および現在の鳥類の羽毛とはまったく異なる構造をもった羽毛を発表した。このことから鳥類の羽毛が爬虫類のうろこから進化し、恐竜とは別の系譜で鳥は進化したという説を裏付けるとし、中国内で徐星教授の説と対立している。
日中関係で「経暖政冷」(だっけ?)と経済関係はいいが政治関係は悪いと言われ、最近、中国は潜水艦よこしたりしてくるので、中国の日本に対する世論も日本の中国に対する世論もよくない。僕自身も一党独裁だから、中国人の言う事はどいつもコイツも同じだみたいな印象があるが、少なくとも鳥研究者にはそう言うことはなさそうだ。
鳥の祖先としておなじみなのは「始祖鳥」である。ドイツで発見された1億5千万年前の恐竜と鳥類の類似点を持つ化石であるが、羽毛に関しては中国の化石よりも発達していたが、飛行能力に関しては分っていなかった。しかし、今年8月の「ネイチャー」にイギリスの研究チームが飛べたと発表している。始祖鳥:空を飛べた(毎日)
始祖鳥とミクロラプトルには3000万年の隔たりがあるが、同一の系譜なのか、いずれも現在の鳥の先祖なのかはまだ、分からない。
Posted at 2004年12月06日 00:01
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コメント
プラダ バッグ からコメント
こんにちは、またブログ覗かせていただきました。また、遊びに来ま〜す。よろしくお願いします
Commented at 2013年07月07日 20:44