規制は準備されている?
松永英明氏が海外記事の全文無断翻訳を公開する著作者の翻訳権侵害に対して、読み手としては利便だという意見があるが、そりゃ便利だ。便利だったらいいというのは、ファイル交換で市販ソフトが手に入りゃあうまい。海賊版DVDは安い。というのとあまり変わらないような気がする。ファイル交換や海賊版DVDによる損害金額が見えたから、摘発されたに過ぎない。
前回 、インターネットはいずれ規制が強化されると思っていると書いたが、その速度は実に緩やかなものである。列車事故を例にするなら、十数年前の信楽高原鉄道の事故によって、列車事故に調査委員の設立が義務付けられ、数年前の日比谷線の事故によって、半径250m以下のカーブに脱線防止ガードの設定が義務付けられ、今回新型ATSが義務つけられる。この程度のスピードの変化である。だって尾崎に毒された人は基本的に義務とか規制とかって嫌いだから。
そんな尾崎なネットユーザーは仮にネット規制の強化がされれば抵抗するだろう。決まり台詞は「一部のリテラシーのない奴のせいで、善良なネチズンに迷惑がかかる。」「一部のテロリストが、監視社会をまねく」など、類似のセリフはここ にも書いた。JR西の社員は「上層部のせいで、」などと思ってるんじゃないかと、労組の発言などを見てると思えてしまう。他のJR社員も「あほの西のせいで、」などと思っているかもしれないが、JR東が新型ATSの設置が西より進んでいるのも、何年か前に総武線だか中央線で何人か死んだからに過ぎない。僕には死んだ人数が少なかったから、普及が東にとどまり、107人死んだ事で全国に普及する事になるのだと思える。
霞が関官僚日記のコメントに面白い論議があった。fermatさんという方のコメントが際立っている。
『今回の事故を通して、社会全体が反省し、スピード社会が必ずしも幸福を招来しないということを再確認する方が、犠牲者に報いる方法として至当と思うわけです。』
『社会全体がスピードを落とせばいいだけの話です。』
これに対して、dennouprionさんのビラのくだりに思わず笑ったが、規制によって社会は徐々にスピードを落とすのだと思う。その速度は100年に十歩ぐらいで、もしかしたら9歩下がったりする。でも実は規制や義務は事故などのきっかけを待って既に準備されていると妄想。
Posted at 2005年05月20日 00:00
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