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ヌード写真

前回もリベラルな人を不愉快な思いにさせてしまったかもしれないので反省しているが、僕は夫婦別姓や生殖医療、尊厳死などあらゆる「自由」は徐々に拡大していくと思っている。そういう問題に直面した心当たりが無い僕にとって、当事者としてがんばっている人には失礼かもしれないが、そういう問題は日本の社会が写真家達の主張を尊重しヘアヌード写真を解禁させたようなことと大きな違いは感じない。もちろん写真家にしたらまじめな主張だ。自由や選択肢を獲得したら2度と元には戻らない。保守派は根拠は無いが「なにか社会に悪影響があるかもしれない」という。結局は当事者あるいはそれを利用したり代弁する政治家が強く主張するしかない。そして感心の無い多くの人は、僕がカトリック教徒の女の子に持った感情 のようにどちらを抱きしめたいと思うかで判断する(不純な動機じゃないです)。ちなみに僕はヘアヌードの被写体を抱きしめたい(不純です)。

その時に書いたことの繰り返しになるかもしれないが、保守派は根拠のない未来のことを懸念しているのであって、リベラル派が「自由」とか「尊重」を持ち出しても話はかみ合わない。リベラルも未来を語らない事には論議は前に進まないと思う。つまりどちらも根拠の無い主張に行き着くのだと思う。決して無意味というわけじゃない。根拠は無くても説得力は必要だろう。こんな事書けるのも僕が幼稚で分かっていないだけかも知れないが、主義信条の希薄な無党派ってこんなものじゃないだろうか。

仏教国かイスラム国だか忘れたが、生まれてから一度もエッチな写真を見たことが無い人に無理やり見せるというのを思春期の頃テレビ番組で見たのを覚えている。その敬虔な外国の若者は目をそむけようとする。「見たらどんな気分?」と聞かれて「うれしいけど、見たくない。」というような答えをした。今思えば残酷な番組だ。僕はその若者の態度が不思議で理解できなかったが、逆説的な言葉が心に残った。

GOLDEN BESTに収録されている井上陽水の古い歌に「青空ひとりきり」というのがある。

楽しい事なら何でもやりたい
笑える場所なら何処へでも行く
悲しい人とは会いたくも無い
涙の言葉で濡れたくはない

一見すると「うれしいけど、見たくない。」という逆説でなくストレートな感情なのだが、たぶん実際はそうはいかず、ひとりきりで思い悩む。敬虔な青年も見たくないのにヌード写真を見せられてしまう。どっちにしてもうまくいかないもんだね。その歌の2番は

何かを大切にしていたいけど
体でもないし心でもない
きらめくような思い出でもない
ましてやわが身の明日でもない

なにか抱きしめるような大切なもの僕にあったっけ?今のところ僕には見当たらない。何かを大切にしている人が羨ましい。ヌード写真集を買いに行けって?

Posted at 2005年01月28日 23:59


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