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伝統的無関心と積極的無党派のゆくえが心配。

無党派のゆくえ

2004年6月28日のニュース23で解説者が無党派について分析していた。うろ覚えだが確か、有権者の50%は無党派でその内訳は図1の割合らしい。

図1
脱政党15%→積極的無党派
政党拒否20%
無関心15%

解説では続いて支持政党がある人を加え、それぞれが重視する問題として以下のような図を提示していた。

図2

政党支持層積極的無党派無関心
国際問題×
政治問題×
生活関連問題×

以前、体育会系バカの友達が「俺は選挙に行ったことがない。行っても行かんでも一緒や。」と言うので、「俺も政治に無関心だし、行かないのは勝手だが、そのセリフは言うな。」となだめた。僕はバカにも分かるように、「運動会のクラス対抗綱引きで、『俺が力いれても一緒』と発言したらどうなる?ボコボコやろ。」と言うと、筋肉を引きつらせていた。

無関心でも黙ってればいい。むしろ無関心が15%というのは少なく感じる。無関心層は世論のバッファーとして、ある程度あったほうが健全だと思う。投票率の低さを危惧したいなら、15%の無関心より、残り85%の中で投票しない者を憂うべきだと思う。

むなぐるま/アメリカ政治は部族社会によると

デーヴィッド・ブルックスがニューヨークタイムス誌のコラム(6月5日付)で面白い論を展開している。最近の政治学の研究によると、アメリカ人は一般に若い頃の支持政党を一生変えないということらしい。普通、親が支持していた政党の支持者になり、 ウォーターゲート事件などの大事件があっても支持政党を変えない。つまり、自分の政治思想に合った政党を支持するのではなく、とりあえず「自分と似たような人々」が所属している政党に自分も属し、その政党が喧伝する政治思想を信奉するようになるという。アメリカでの政党は、同じ政治思想を持つ人々の集まりではなく、むしろ一種のクラブのようなものだというのだ。
注)「NYT」を「ニューヨークタイムス誌」に、誤字と思われる「そ」を「を」に変えました。

これがお祭り騒ぎ的選挙を演じる2大政党のなれの果てなんだろう。自分の利益のためならまだしも、親が支持するからとか、友達が支持するからとかで行動を決するのなら、僕にとっては無関心の方がましだと思っている。むかし「独裁下のカモ 」で毒を吐いたとおりだ。

自民、民主の「2大政党対決」に注目が集まった昨年の衆議院選挙で社民、共産は大幅に議席を減らし、反自民評が民主党に流れたと言われた。今回の選挙では、その教訓をいかして、社民、共産は民主党批判にも余念がないようだ。

アメリカの2大政党の選挙戦は、共和党と民主党の違いを強調したり、支持者を守るための防戦である。これに対して日本の強固な支持基盤を持たない政党達は、ニュース23でいう「積極的無関心」の35%にアピールせざるをえない。こういうアピールはよく言えば情熱的で、説得の姿勢である。

むなぐるまさんが上記記事で曰く

このように国内が二極化している 状況は気になる。自分の意見に反対する人々を議論を通して 理性的に説得できる可能性が低いという現実が、なにをやっても無駄という雰囲気を生み始めている気がする。こうした現状は非常に困ったものだと思うのだ。

この気持ちは「言葉の押し売り 」で書いた「分かり合えない切なさ」と似ていると思う。「2大政党」は民主党があくまで自党のためにアメリカとイギリスを信奉してアピールしているが、仮に2大政党が現実になり2極化が進み、無党派層までどちらかに流れ、アメリカのように全面的な防衛選挙になるよりは、共産や社民のようなオフェンシブな政党もいたほうが、面白いんじゃないかと思った。消滅させるにはあまりに寂しい。分裂や合流を繰り返している自民と民主が共産や社民が弱りきったところで、合流でもしようもんなら目も当てられない。民主党は案の定、つまらない防戦に出ている。創価学会の900万(?)に次ぐ700万(?)の会員がいるとされている立正佼成会を支持団体にすべく動いているようだ。政教分離 はどこ行った。

人間の見る目なんてメジャーなものに偏るものだ。音楽だって小説だって、メジャーである事が、その内容以上に売れる要因になる。マイナーな人の作品が売れる事は、いい作品を創作する事なみに難しいのではないか。政党も同じで小さくなればなるほど見向きもされなくなる。無関心の人にしてみれば、共産や社民に対して、世界経済共同体党(党代表の非公式サイト党非公式サイト)のような、うさん臭い印象をもっても不思議じゃない。2大政党の怖いのは無関心の人間までメジャーなどちらかの政党に流されて、聞く耳持たずに同じ政党を支持し続けてしまうことだ。

こうなると世論はバッファーを失い始め、政党に毒された盲目的長嶋茂男ファンやアントニオ猪木ファンのように目が曇る。そんな時に冷静に物を見れるのは、もはや無関心層だけかもしれない。もう一度図2の生活関連問題への関心度を見ると、政党支持者が△で積極的無党派が◎になっている。普通の人間なら政治問題よりてめえの生活のほうが大事なはずだ。無関心層ときたら潔く×となっている。すげえニヒルだ。どうせ適当に作った表だろうけど、僕が入っていないので、付け加えておく。

図2’

政党支持層積極的無党派無関心
国際問題×
政治問題×
生活関連問題×
鳥問題×××

Posted at 2004年07月06日 12:32


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