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政教分離

麻原彰晃の一審判決にあたりマスコミはオーム真理教の一連の事件を振り返る特集を組んでいる。当時はよく利用していた地下鉄で事件がおきたものだから、衝撃を覚えたが、今では彼らの事件はある意味で不思議とは思わない。宗教団体が国にたてついて戦争をしたのは、初めてのことではなくて、清にたて突いた太平天国は拝上帝会という新興宗教団体を中核とし、広西省に作られた国家だ。白蓮教は元と清の時代に大規模な反乱を起こし、実際に元の滅亡に大きな影響をあたえた。日本では一向一揆もそうだ。織田信長がもうちょっと弱かったら浄土真宗教団は権力を大きくし、現在の宗教勢力図も変わっていたことだろう。性格は違うが法華一揆も戦国時代の権力闘争と言えなくない。同時に宗教団体が権力にかかわると宗教弾圧も起こる。宗教団体への弾圧や宗教団体による反乱を防ぐには、国家が単一の宗教をもつか、あるいは政教分離だ。前者は日本では無理なので後者を選択することになる。政教分離は中学生位のときに習って、言葉は知っているがそれほど重要なこととは思っていなかった。ところが、アメリカ人の学生にお前の国のどこが良いかと聞いたとき、いくつかを答え、そのうちのひとつに「政教分離」を挙げたのだ。当時は僕のくだらない質問に対して、一種のユーモア(たとえば、お前の嫁のどこが良いんだと聞かれて「穴があいている所」と答えるような。)で答えたのだろうと思っていた。しかし今思えば、彼の言葉も現実味を帯びてくる。アメリカの政教分離がどれほど厳格なものかは分らないが、日本では憲法で定められている他の原則と同様あいまいであることは間違いない。公明党の存在や首相の靖国公式参拝はオームと同様の危険をはらんでいるのだ。そう言うと公明党の方や首相に大変失礼かもしれないが、ここではオームの一連の殺人事件とその殺し方を度外視している。ただ首相や公明党の駄々を聞いて政教分離にあいまいな態度では教団の権力志向を防ぐことはできないのだ。アメリカの青年のように、国民が政教分離に価値を見出すような国であれば、カルト教団が国と戦争を起こさないと思う。もちろん個人の信教の自由はあるが、徹底的に政治と完全に切り離さなければ歴史は繰り返す。それとも完全に国民を監視するような絶対主義時代の警察国家にするか?
H16/2/29

Posted at 2004年02月29日 21:43


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