Catch and release
「鳥を自由にしてやると、幸運が訪れるんですよ。」丁度同じ頃、インド人のガイド氏からそんな言い伝えを聞いていたのは、ロマンスグレーの髪に白いシャツもさわやかなリチャード・ギア。周囲には鳥売りたちと籠に入ったおびただしい数の鳥。興味深げにうなずいたその時、先ほどの少女が出会い頭にぶつかってしまいました。
「大丈夫?」と少女に声をかけるリチャード。 一瞬びっくりしたものの、先を急ぐ少女は一人の鳥売りの露店へと飛びこみます。「鳥を五羽ください。兄さんのためなの。」鳥売りは彼女が差し出した数枚のコインを見つめ首を振ります。「これじゃ一羽しか買えないよ。」希望した数が買えなかった彼女は悲しげな顔でトボトボと帰って行きます。(中略)とうとう兄のいる広場まで戻ってきた少女。これから旅立つ兄のために、たった一羽の鳥を放とうとすると‥。いっせいに無数の鳥たちが彼女の周りから飛び立ちます。彼女の思いをのせた鳥たちが空に舞い上がる風景はまるで魔法使いが魔法をかけたようでした。何事が起こったのかとあわてて見上げる少女。そこにはほほえんでいる魔法使いならぬリチャード・ギアと鳥売りたちの姿が‥。
このTVコマーシャルの舞台となったのはインド・ラジャスタン州らしいが、実際にこのような言い伝えがあるのか、そのような風俗が今もあるのか分からないが、おい鳥売り。お前絶対に幸運が訪れそうにないな。
そういえば日本でも葬式で出棺のときなんかに鳩を飛ばす風習がある。放生(ほうじょう)と呼ばれるもので、仏教の伝来と同時期に伝わったようだ。放生と放し亀に詳しい。
その原型は殺生を戒めた原始仏教にまで遡る事ができるのですが、具体的には捕らわれの生類を放して逃がして(生かして)あげる行為のことです。
逃がすために捕らえてちゃ世話ないと思うのだが、放生は鳥だけでなく亀や魚もあるようで、「放し亀」が夏の季語として歌われていたり、VISAのCMみたく放し亀のための亀が販売されてる様子の絵も残っている。浦島太郎も同一線上にあるのかもしれない。くれぐれもカミツキガメとか放生しないように。
明治以降、神仏分離・廃佛棄釈政策で多くの放生会が消えてゆきましたが、生類を放す放生そのものについては庶民の生活に残り続けました。例えば、 神泉苑(京都市中京区)の池には自分の病気を亀に託して放すと病が全快するという言い伝えがありましたし、亀の甲羅に子供の名前や南無阿弥陀仏などと書き、お酒を飲ませた後に放して、無病息災を祈る風習が各地で見られました。今も神社仏閣の池の亀たちは、放生の名残りの亀たちと考えられます。
名所江戸百景 深川万年橋by広重(貴重書画像データベースより)

Posted at 2006年06月22日 00:11
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この記事のタイトル: 鳥新聞: Catch and release
コメント
ふぁる からコメント
そのCM、好きです!
鳥には迷惑かもしれないけど、鳥を放つと幸運が訪れるというそのシチュエーションが素敵です。
鳥の恩返し。
でも、そのためだけに鳥が捕まっているなら、幸運が訪れるというよりは鳥の不運が普通になったというだけのような気はしますが・・・。
亀は、鳥みたいに豪快にバーッと去っていかないので、「・・・ん?まだいたの!」ってなりそうだ。
水辺なら素早いのかな。
Commented at 2006年06月23日 22:06
eda からコメント
ばあちゃんの葬式のとき、白い鳩を飛ばしたのをみて、みんないっせいに飛び立つもんだから、公園の鳩みたいに、「ぽーぽー」とその辺をウロウロして「まだいたの!」みたいな事ないのかなーとか、どこ飛んでいくんだろうとか思ったもんだけど、伝書鳩のことを考えたら、不思議じゃないね。
インドの小鳥も飛ばしたら、鳥売りの元に戻ってくるのかもしれないね。
Commented at 2006年06月25日 00:08
