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日和見のエミュー

最近、始祖鳥が鳥でないという研究発表があったが()、始祖鳥が鳥なのかという疑問があることは、「鳥の先祖 」でも書きました。言えることは始祖鳥が鳥類だろうが恐竜だろうが、鳥類は恐竜あるいはその近縁種からの進化というのが一般的である。

オーストラリアに住む、さすらいの鳥「エミュー」のたくましい足なんかをみると、恐竜っぽさを見ることが出来る。つっても恐竜はジュラシックパークくらいでしか見たこと無いけど、言って見ればドラゴンボールのピッコロの手みたいな感じ。

エミューはオーストラリアに住み、ダチョウに次いで鳥類2番目に大きい鳥で、ダチョウと同様に飛べないけど時速70km以上で走る事が出来る。潅木の合間を縫って走るので、RV車で追いかける取材陣もあきらめた。

その走りっぷりがかっこいい。アスリート諸君も彼らの美しい走行フォームを研究してみてはどうか。突然走り出したと思えば数週間まっしぐらに走りつづけたり、メシを食うとまた、あらぬ方向に走り出す。行動範囲は数千キロ四方とも言われる。チーターなどは時速100km以上で走るらしいが、100mも走ればゼィゼイ言う(?)だろうけど、渡り鳥の遠距離飛行を考えてもらえば、気嚢を持つ鳥類はへっちゃらだ(参考:気嚢システム)。

移動する動物、渡り鳥や魚の溯上ではそのルートや時期が一定しているのが普通であり、環境が変わらない限り、何万年でも同じルートを移動を律儀に繰り替えしてきただろう。しかしエミューの移動はルートも時期も不規則である。

Wikipedia(日本語版は現在まだない)には"Emus are opportunistically nomadic"と記述があるが、すばらしく彼らを言い表している。opportunisticは「日和見主義的」などと訳されるが、日和見主義ってなーんか、行き当たりばったりみたいなニュアンスを感じるのですが、国語辞典を調べると以下のようにある。

ひよりみ【日和見】
  1. 天候の状態を予測すること。また、その人。
  2. 自分の態度を積極的に決定せず、周囲の形勢をうかがうこと。事のなりゆきによって去就を決めようとすること。
ひよりみ‐しゅぎ【日和見主義】
形勢をうかがい事態のなりゆきによって、態度を決定しようとする考え。
(国語大辞典 小学館)

Wikipediaの記述に、"follow rain"と記述が続いているとおり、かれらは行き当たりばったりでなく、極めて優秀な視力で遠くの雲を見極め、オーストラリアの広大な砂漠地帯に降る局地的な雨を正確に天気予報するのである。まさに日和見ではないか(opportunisticにそんな意味があるのか分らないが)。雨が降れば、大地に草木が潤う。彼らは、花も実もそれに引き寄せられる昆虫も大好物である。

メスは卵を数個産むと単独行動する。抱卵から子育てまでオスが行なう。卵は綺麗な緑色をしていて、オスはその緑色に暖めたいという意欲が湧くようだ。目立つ卵なので体で覆い隠し敵に見つけられないようにしたくなるとか。オスは2ヶ月飲まず食わずで暖める。抱卵中の最大の敵はエミューで、時には貴重な栄養としてよそのエミューに卵を襲われることがありキックで追っ払うが食われることもある。

エミューが大きいので卵も大きいのだが、栄養もたくさん入っていて、十分育ってから孵化し、生まれるとすぐに立ち上がり、餌をつつき始める。従って彼らの子育てに給餌行動などはなく、敵が近づけば知らせ、雨を察知すると彼らを先導するのが役目である。もちろん子供が小さいうちは速く走れないので歩調を合わせて雨雲に向かう。それが天気予報士のお勉強にもなっているのだろう。親鳥は飛ぶ事を教えたり餌をとる事を教えるが、エミューの場合は違うわけだ。

それでもついていけず迷子になる子供がいる。親を求めてピーピーないているところに、他のエミュー家族が現れると、ちゃっかり合流する。親鳥も卵の状態だと食っちまうのに寛大に受け入れる。別に餌やらなくてもいいわけだし。時には一匹のオスが50羽のヒナを引き連れる事もあるらしいというので驚き。見てみたいな親鳥を先頭に列をなして雨雲に向かって突っ走る姿。

注釈

asahi.com(2005年12月02日)

始祖鳥が「鳥」の名を返上? 長く最古の鳥とされてきた始祖鳥が、実は鳥ではなく恐竜だった可能性が強まった。ドイツと米国のチームが保存状態のよい化石を調べたところ、脚の親指が恐竜と同じ前向きだった。従来は現代の鳥類と同じ後ろ向きと考えられており、鳥類に分類する最大の根拠とされていた。鳥類の出現時期などをめぐり、議論を呼びそうだ。2日付の米科学誌サイエンスに発表する。

Posted at 2005年12月18日 23:58


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コメント

ふぁる からコメント

おお!!エミュー。名前がかわいいエミュー。
エミューもよその子を育てるんですねぇ。
ダチョウは、親子が別の親子と遭遇すると、親同士で決闘をして、勝ったほうが負けたほうの子供も全部連れてって育てると聞きました。
いっぱいいると育てやすいのかそれとも生き残りやすいのかな。
こないだ、博物館で「鳥は恐竜から進化した」みたいな特別展をやっていたので見に行ったんですが、どこらへんから可愛くなるんですかね〜
恐竜に羽が生えた程度じゃ全然かわいくなかったっす!><
始祖鳥もあんまし・・・。
目がなんか違うんですよね。爬虫類と、鳥は。やっぱチャームポイントは目かな!

Commented at 2005年12月20日 23:06

eda からコメント

>始祖鳥もあんまし・・・。

あー。始祖鳥かわいそう。聞いてないか。

>ダチョウは、

へーぇ。ちょっと調べたら、たくさんヒナを連れてることで、自分のヒナが敵に襲われる可能性を低くするためとか。

>やっぱチャームポイントは目かな!

目を閉じててもカワイイから、ポイントは形だと思うな。

羽毛は爬虫類なんかが持ってる「うろこ」の進化という説があるけど、ヒナのふさふさもチャームポイント。でも全然ふさふさしてないペンギンもかわいいしなあ。

ペンギンが行方不明のニュース
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200512210003.html

Commented at 2005年12月23日 06:18

ふぁる からコメント

ひぃ、始祖鳥ゴメンm(_ _)m
でも歯が生えているよね・・・・・・・・(゜皿゜)

>目を閉じててもカワイイから、ポイントは形だと思うな。

そぅですねぇ〜確かに〜〜〜。
雀がふっくらした感じなどとても素敵です。
目は中でも可愛いポイントが高いってかんじかな(笑)

盗まれたペンギン・・・とてもかわいそうだー誘拐だ!!はよ返してあげてくれーーー(TへT)
それはそうとペンギンて、ヒザ部分が折りたたまれて体の中に埋もれているためにヨチヨチ歩きなんだそうですね・・・。
(見えてる部分は足首らしい・・・)
足首のみを動かすってたいへんそうだけど・・・それよりなによりペンギンって、他の鳥と違って、ヒザの関節が逆じゃないのですね!
やっぱりひとあじちがう。

Commented at 2005年12月27日 01:06

eda からコメント

僕もホントは始祖鳥は可愛くないので鳥じゃないと思う。ペンギンの足の事は知らなかった。thanx
記事にしました。

Commented at 2005年12月28日 23:56

breaking bad season 5 dvd からコメント

そのうち世界中で アフガンみたいに無人機が往来する時代が来る?

Commented at 2014年01月15日 00:49

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