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武士は食わねど高楊枝

僕は創刊以来、JMMというメールマガジンを受信していますが、受信しているだけで、全く読んでいない。一応「後で読む」つもりで受信し続けているのだけど、永遠に読まない気がしている。13万人から差し引いてください。antiECOさん。コメントありがとうございます。

でも暴動にまた燃料投下かよ、orzでJMMの記事に痛快に突っ込まれているような時に参照できるので、取り続けると思います。

前回フランスの暴動について書いた時に(参考)、全国規模に広がった事が不思議だったのですが、wiredの記事で、ネットで扇動する2人を逮捕し、そのブログサービスの運営者は毎日数千件の記事を削除し、10のブログを閉鎖しているとある。

この1週間、パリの中で暴動による被害が最もひどかった地区を見て回った政治活動家のアハマド・メギニア氏は、たとえ暴力的でないコンテンツでも掲載すれば起訴されるのではないかと、多くのブロガーが恐怖に怯えていると話す。メギニア氏は暴力行為を煽ったブログを容認するわけではないが、フランスのなかでもとくに貧しいいくつかの都市で、人種的に隔離されて暮らしている住民たちを暴動へと駆り立てた理由を説明する報道がほとんどないことを指摘する。その代わりに、世界が繰り返し目にするのは、車や商店が燃やされるところを捉えた米CNNのニュース映像だ、とメギニア氏は言う。「暴徒の言い分ももっともだと、賛意を口にするだけでも逮捕されかねないと考える人が大勢いる」、とメギニア氏。「一方、報道機関は当局が発表することしか記事に書かず、現場に入り込んで取材しようとしない。そこが、まるでバグダッドのように危険な所だと思っているからだ」

この記事に言及し、フランス当局はやり過ぎとかフランスらしくないみたいなことを書いている人がいたが、僕はそうは思わないし、逮捕された2人が何を書いたかも分からないのに、当局を判断をする事はできない。この記事で言っている事は、現状の報道は華々しい炎と黒々しい焦げ跡を伝えても、全てを伝えきれていないという事であり、暴動を判断する事も難しいという事だろう。

全国規模に広がらなければ、antiECOさんの仰るように良くあることである。日本でも最近「公務執行妨害が増加、「精強な警察」へ装備強化」というニュースがあった。

警察官に対する公務執行妨害事件が10年前の2・8倍を記録するなど、警察の“第一線”の危険が増しているとして、警察庁は来年度から、全国の警察に、太さを2倍近くにして強度を高めた警棒や、車の窓ガラスも粉砕できる警杖(けいじょう)を導入することを決めた。(読売新聞2005年9月26日)

フランスを階層社会というなら、日本もそうだろう。ただ日本人は他の国と違って、武士は食わねど高楊枝なだけである。僕だってテレビに出てるセレブみたいに六本木界隈の高いレストランで美人と合コンして、東京タワーの見える部屋で高いワインを1杯でいいから飲んでみたいが、カーテンを開けると隣人に覗かれる部屋で「俺は焼酎が好きなのさ」と言ってのける。日本の浮浪者ですら、金を恵んでくれと言えないのである。海外の先進国に行けば、まるで友達に話し掛けるように「金をくれ」と言われることがあるだろう。日本の浮浪者が特異なのである。おまけに自虐ネタでさんまのからくりテレビで替え歌を歌う。安達裕美が「金をくれ」と言ったのがセンセーショナルだったのは、日本だからである。

そんな事を考えると、「武士は食わねど高楊枝」な精神を除けば日本で同様の事件が起こっても不思議ではない。あちこちで破壊活動なさってる武士や尾崎が横につながればよいのである。その環境はあるだろう。階層社会というのは上層と下層がつながる事で成り立つのだと思う。下層にやさしい人もいれば、上昇志向のある多くはひたすら上層だけを見る。あるいは上層や下層に直接牙を向く。縦につながっていればそれでよいのだと思う。

JMMで言う「“ブルゴーニュ”で蝸牛を食べ、“サンドレンス”でジビエを食べ、“プティ・ジンク”で牡蠣を食べ、“エディター”でコーヒーを飲み、デュラスを読み、“ボン・マルシェ”で買い物をする」ってことが、日清のインスタントラーメンと味の素のインスタントコーヒーを飲んでる僕にはさっぱり分かりませんが、自分の生活を普通だと思うのは、居心地がいい。しかし13万人マイナスαに扇動する意味は、金持ちが金持ちの生活を守りたいだけのように感じました。このような煽動は横のつながりという意味で暴動の煽動と変わらないと思うのです。

今モンカフェドリップコーヒーのCMが流れています。美人がコーヒーを飲むその背景にはエッフェル塔みたいのが映っています。うーん。やっぱ僕の飲んでる粉のインスタントよりはパリの雰囲気が味わえるのでしょうか。今度パリジャン気分で試してみます。ちょっと高そうだけど。

Posted at 2005年11月12日 15:35

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2005年11月09日 フランスの暴動
2005年11月12日 ソフィーへ
2005年11月12日 武士は食わねど高楊枝


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コメント

antiECO からコメント

連続でお世話になっております。
貧乏人は暴れるもんだという筋書きが座りがいいんでしょうね。
しかし、ワイナリーやオートクチュールのブティックのような自営業者にはそこんちに生まれない限りはなるのは難しい訳で、そこには宗教とか民族というよりもそこんちかどうかの話で、それをひっくるめて一般論として階層社会と言ってもしょうがないです。フランスはなんといっても農業大国でもあるわけですから。なので、ワイナリーんちの子とか中村江里子さんの旦那さんのうちの子だとか農家の子になれないのは差別だなんて言って暴れるやつはいません。でも、そこはカネや社会的地位があったりして固定化されてしまってる世界でもあるのです。
なので、若者にもし不満があるのであれば、それは一般論で語らずに、地域地域でそれぞれじっくりと見ていくしかないんじゃないでしょうか。パリ周辺と地方都市とでは環境があまりにも違い過ぎます。
ストラスブール近郊は、過去のドイツとの領地の関係とかEC議会との関係とかを含め、街としての歴史的背景や近年の変化がいろいろと複雑なので、それこそ簡単に論じることは出来そうもありません。

それと、カフェの雰囲気を味合うのであれば、BGMと香りが効果的だと思いますよ。煎ったコーヒー豆を部屋に置いておくとかアコーディオンやフレンチ・ギター中心の曲を流すとか。コーヒー豆に輸送に使った麻袋なのもよい香りがします。

Commented at 2005年11月12日 17:41

鳥新聞 からコメント

騒動のない世はユートピア(空想の世界)なんだなと思います。

地域地域の違いはあれど、騒動は全国規模なので、一般論になるのはしょうがないのかなとも思います。もちろんこれを貧乏人でくくるのは略奪がないネットを使う?ことから間違いだと思います。

しかし民族でくくると、デリケートな話なんだと思います。

コーヒーについては、安い粉のインスタントでも結構満足してしまっているのがほんとの僕です。

Commented at 2005年11月13日 00:40

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