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モヒカン族の起源

はじめに

前回書いたあとに最近はモヒカン族に言及してるものを読んでなかったので、まずkanose氏のを読んで「オオツネさんのこっそりしたネタバラシ。」とあったので見てみると

http://mohican.g.hatena.ne.jp/bbs/2/551

単純に「モヒカン族むかつく。上手く言えないけどなんかキモいよね」で終わってしまうムラ社会文化の人や、「モヒカン宣言どおりにネットで議論すれば正解なんだな」と真のモヒカン族のスタイルだけを真似た偽モヒカン族が出現したり。「モヒカンだムラ社会だって分類するのは悪趣味だ」「otsune達はムカつく」等と嫌悪するだけの人は沢山居ましたが。ムラ社会・モヒカン族を超えて、これからどうすればいいのか? という視点で意見と目標を書いているのは、モルフォさんをはじめとするごくわずかな人たちだけでした。

過去形だし、こんなのを見てしまうと、なんか寂しいというか、僕の事もうっとうしいガキだと思われていたんだろうなと思って申し訳なくなった。僕はモヒカン族に倫理を合理的に規定する無理難題を期待していたのかもしれない。

モヒカンぽさを感じない発言だけに、こういうのは気持ちがビンビン伝わるような気がする。「むかつく」「きもい」「嫌悪」は本人にとってはリーズナブルである。それが他人に理解されうるかは、文字だけでは難しいのだろう。それでも説得力のあるものが、一流の評論家であり、扇動家なのだと思う。僕が「ムカツク」「きもい」を表明した事がリーズナブルでなかったら、それはただのうっとうしいガキだったということだ。

それからblog stationの記事を読んでインスパイやされましたので、モヒカン族の起源を研究してみました。やっつけでベタな個所がありますが、ご了承お願いします。

モヒカン族の起源

モヒカン族の起源は西暦1世紀〜3世紀にさかのぼる。キリスト教からは異端とされ弾圧されたグノーシス主義(Gnosticism)と呼ばれる神秘主義の一派から派生したと、蝦江ケーゾーは苦節3日間に渡り文献をあさり、そう結論付けた。

グノーシスとは「知」を意味しknowの語源であり、最高神の持つ知を、知恵の神ソフィアが知ろうとしたことによって、悪神が生まれ、物質界に人間をおとしめたのである。

ソフィア(sophia)はギリシャ語では「英知」を示すが、現在では皮肉にもsophistication(詭弁)の語源として知られる。

この事実を探し当てた、蝦江ケーゾーは、モヒカン宣言との間につながる1本の線を見た気がした。近年までグノーシス派の文献は弾圧も影響してか極めて少なかった。ところが20世紀になってエジプトの遺跡から、大量のコプト語で書かれたパピルス写本が見つかり、モヒカン族研究家としてケーゾーはもらすわけにはいかない。ようやく近年「サルでも分かるグノーシス」「はじめてのグノーシス」が出版され、ケーゾーは紀伊国屋書店で立ち読みしたのである。

グノースシス主義者達にとって救済とは、神が降臨し天国暮らしが始まるのでなく、人間に神の知識が得えられることで、人間は目覚め自らの神性を取り戻すというものである。

彼らにとっての欲しいものは、神ではなく、神の知識なのである。

グノースシス主義は最近のベストセラー「ダビンチコード」にも記述があるでご存知の方も多いだろう。ケーゾーも小耳にはさんだので、研究家として当然に紀伊国屋書店に足を運んだが、上下刊と長編なので、立ち読みをあきらめ、日テレで放送した2時間ドキュメントのビデオを友達に借りた。その番組ではグノースシス主義のことは一言も述べられなかったが、オカルトでミステリアスな雰囲気だけは分かった気になった。

たぶん弾圧の目を逃れ秘密裏に細々と系譜を分岐しながら存続し、それはそれは大変だったんでしょう。おじいさんが山へ芝刈りに行ったり。母さんが夜鍋して手袋編んだり。ケーゾーの研究家としての嗅覚は絶好調である。google先生を頼みの綱にWikipedia日本語版に行くと、のってるだけでも、以下の宗派がある。

  • サトルニロス
  • セト派
  • ケリントス
  • シモン・マグス
  • マルキオン
  • ヴァレンチヌス派(ウァレンティノス派)
  • ヴァシレイデス派
  • オフィス派
  • カイン派
  • カルポクラテス派
  • ボルボル派(バルバロイ派)
  • ボゴミル派
  • カタリ派

ケーゾーはじっとこれらを眺め、ついに発見した。

マルキオン、モルキオン、モーキオン、モーキャン、モーカン、モヒカン!

やったー。おめえら、グノースシス主義者マルキオン宗派の末裔だろ!

神秘主義は文明の為に衰退し去るものではない。寧ろ文明は神秘主義に長足の進歩を与えるものである。(中略)祖先の猿だったことを信じ、幽霊の実在しないことを信じ、地球の円いことを信じている。もし嘘と思う人は日本に於けるアインシュタイン博士、或はその相対性原理の歓迎されたことを考えるが好い。あれは神秘主義の祭である。不可解なる荘厳の儀式である。芥川龍之介「神秘主義」

新しい知を得るたびに、そこに神秘主義の祭りがおとづれる。荘厳なるモヒカン族の儀式が行なわれるのである。(了)

参考とオススメ

Posted at 2005年10月20日 00:00


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コメント

eda からコメント

マルキオン→モヒカン
「ン」しかあってねーし。

Commented at 2005年10月20日 12:32

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