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逆じゃないよ。

コミュニティーからメディアへ

コミュニティーと言うのはどんなにあがいたところで、血判状が無くても排他的となる。パソコン通信に始まり2chに代表されるコミュニティーに属するには、一言で言えば定番のキメ台詞「空気読め!」に代表されるように、現実の社会生活と同様に、そのコミュニティーに適した空気感というものがあり、所属メンバーは知ってか知らずかそれに従っている。

既存メディアにおける、2ちゃんの特定スレッドにされる批判の言説は、排他的コミュニティーすべてにそのまま当てはまるものであると思う。近所のおばちゃんコミュニティーのつもりで、ネットで井戸端会議をしたところ、門外不出のはずのよくある悪口が、多くの人の目にさらされていたということだ。共通の属性をもつ人間が2人あつまればコミュニティーで、そこには例えその2人でしか共有し得ない言論も成り立つ。

今日、水戸市の女性医師(28歳)が患者に対する悪口を自分のホームページに書いていたのが、発覚し閉鎖したというニュースがあった。(共同通信1月14日)

病院によると、医師はHPの日記のコーナーに治療内容などを公開。匿名ではあるが、文句を言う患者に「今すぐ帰れ。二度と来るな」と書いたり、忘年会中に呼び出された緊急手術について「この緊張感がたまらない」と記したりしていた。

もし発覚しなければ、医師のストレスと暴言を吐きつづけるサイトとそれに共感する読者との排他的コミュニティーの場として存在し続けただろう。あるいはネットじゃなければ、現在も医師による井戸端会議によって、「あの患者ウザイよね。」「逝ってよし。」というコミュニティーは星の数ほど存在しつづけるだろう。

医師の肩を持つわけではないが、医師がそれなりにウザイ患者に対する正当な文句がありそれを解決したいと思っているのなら、患者当人に文句を言うか、人と人をつなげる媒体(メディア)に訴えるのが筋である。

様々な話題を提供してきた人気ブロガー木村剛氏はかつて「ブログが市民権を得るべきだと考えている」とおっしゃっていながら、今回「ブログはコミュニティだ!」と言ってのけたのが、方向転換であるなら残念で他ならない。ましてや草の根メディアとしての「ブロガー新聞」という彼の試みは、ネットが過去においてコミュニティーでしかなかったのが、市民権を得たメディアになり得るという時代の流れを感じたものだ(少し誇張)。

>ところでquimitoのご本ご本さん、サンスティーン、まだ読んでないです。僕には難しい言葉が多くて1章で止まってます。ドーレーミーってなんですか?ソラシド♪みたいなもんですか?

わはは。コミュニティーって楽しいですよね。それを否定するつもりはありません。ただコミュニティーにおける言論というのは、コミュニティーの中だけで成立し、ある意味独りよがりで、ジャーナリズムと呼べるわけもなく、メディアに発信される情報に比べて、コミュニティーの外に対するメッセージとしては価値が低いとまでは言わないが、万人への影響力は乏しいと思う。最初から対象をコミュニティー内に絞るなら、地域のネットワークなどにおいては有意義だと思っている。

ちなみに僕は野鳥が好きであるが、鳥好きのサイトにはほとんど行かない。ときどきカワイイ鳥の写真を見つけて、「素敵な写真ですね。僕のサイトに使っていいですか?」と訪問する事はあるが、普段から社交辞令三昧の生活を送っているし、いくつかのコミュニティーに属しているので、鳥に限らずネットのコミュニティーと呼ばれるものに参加しようとは思わない。だけど鳥好きたちが鳥談議に花を咲かしているのはたのしいだろうし、「家の軒にツバメが巣を作りました!」「私の家はツバメの巣歴10年です。エヘン」「うらやましー家なんかハトかカラスしか来ません。グスン。」などと会話されているのに、「キムジョンイルどうよ」などと口をはさむ奴はいない。

Posted at 2005年01月15日 00:33


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Pinged at 2005年01月17日 17:29

コメント

quimito からコメント

私もへそ曲がりですが、鳥新聞さんには負けそうです。でも、「コミュニティーからメディアへ」というタイトルを見て、常識人なので安心しました。
もしかして、鳥は好きだけど、鳥好きな人と相性が悪いということはありませんか。だとしたら、私たちは同穴人間ということになります。
こんなところでコミュニティしてるなというお叱りを受ける前に、退散。

Commented at 2005年01月15日 15:16

鳥新聞 からコメント

ちょ、ちょっと待ってよ。叱ったりしませんて。一杯どうですか!コミュニティーは楽しいもん。誰某のファンクラブみたいなところには出入りしたくないですが。

タイトルはちょっぴり皮肉っぽいかなと思ったんですけど、甘いすか?

僕はへそ曲がりですが鳥好きについては、もしかしたら虚像の僕かもしれません。実は普段、鳥の話題を話したり鳥好きの人とコンタクトした事はないんです。もちろん保護鳥の違法取引するような愛鳥オタクは鼻くそと思ってますが。

蛇足ですが、コミュニティーにも楽しいだけでなく、世代を超えた長年の歴史と、地道な活動によって、社会的認知と影響力をえた所もあるとは思います。

Commented at 2005年01月16日 10:47

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