分身の術が使えない限り、祭りが廃れちゃう。
祭りと多チャンネル放送
野球延長「黒革の手帖」休止で抗議殺到(スポーツニッポン10月23日)
試合が9時46分までに終了した場合、女優の米倉涼子(29)主演で先週17.4%をマークした「黒革の手帖」を遅らせて放送することになっていたが、試合が長引いたため休止に。同局(テレビ朝日)には「どうしてやらないのか」などの問い合わせが約700件寄せられた。
タイトルが「抗議殺到」で本文は「問い合わせ」になっているので、問い合わせをした暇人の真意は分からないが、問い合わせが遅くなってもやれと言うなら分かるが、「黒革の手帖」の後の生放送番組「報道ステーション」のギャラの高い古館を長時間拘束するのは難しいのだろう。だったら社員を使えと言われたら返す言葉は無い。そのとおりだ。
普段のシーズンでは試合途中でも野球中継を途中で終了させるが、問い合わせがもし、日本シリーズの放送を終わらせろという抗議だったら怖い。先日京都3大祭りに数えられる「時代祭り」があったが、最近は祭りの主役であるいろんな時代の格好をして練り歩く人が集まらないらしい。当日の西武対中日の中継は日本シリーズ過去最低の視聴率13%だったらしいが、もし単純に視聴率が低いからといって中継をしないような事があったら、歴史のある文化もすべてなくなってしまいかねない。
23日の夕方、新潟を震源地とする震度6強の地震があったので、以降は各局報道特集に切り替わった。ところが9時になるとテレビ朝日系列だけが、ドラマを放送し始めた(僕が見たのは関西圏なので、ABC)。字幕で災害情報が常に流れてはいただろうが、700件の問い合わせが効いたのかな。日本シリーズやってたらどうなってたんだろうね。
「地デジの普及に向けて、野球中継をなくせない事情」(Mainichi Cover Story9月30日)によれば、地デジ(地上波デジタル放送)の普及のためのアピール材料として、まだら放送をあげている。つまり高画質のハイビジョン放送を現在レベルの画質に落とせば、多チャンネル放送できると言うものだ。現在販売されている地デジチューナーでその機能が実現できるのかはなはだ疑問だ。産業界の味方であるメディアがそんなこと書いちゃ、よけい地デジ需要が控えられそうな気がする。既に衛星デジタルでチャンネル余ってるんだから、コンテンツが足りないと間抜けな事言ってないで、民放はとっとと衛星でつまらなそうな番組放送せずに、アナログ地上波放送のコンテンツも流せば、衛星デジタルの需要を喚起し、山間の難視聴地域や地方の放送数が少ない地域にも喜ばれ1石3鳥蝶だ。(注
)
テレビは多チャンネル化で多様な趣味に対応できそうだが、祭りは分身の術でも使えない限り、もっと面白いものに足を運んでしまう。もう外国人の方に時代祭りでちょんまげ姿を演じてもらうしかないのかもね。
Posted at 2004年10月25日 23:06
10/28追記:今の地デジチューナーで、まだら放送は受信できるのかと詳しい人に聞いてみたら、アップデートで出来るんじゃないの?と言われた。
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この記事のタイトル: 鳥新聞: 祭りと多チャンネル放送