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コミュニケーションあってこそ人間

コミュニケーション

前回 の続編です。

恐竜が絶滅し、新生代第三紀では広葉樹が森を作り、ヒト、サルの祖先は比較的安全な木上生活をしていたと考えられる。そこで得たものは、攻撃力や攻撃から身を守る力でもなく、目の進化であった。両目を前面に配置する事で、視野は狭くなったが、立体視を得て飛び移る木の距離感をはかれるようになった。アフリカで化石の見つかったカトピテクスには原始的なサルにはない「眼か後壁」を持ち、視細胞が増加し、安定した視覚を得て、厳しい時代にも餌を確保する事が出来た。

ヒト、サルの祖先の視力の向上は、発達した表情筋から生まれる表情を識別する事も出来た。それは種族同士の争いを避けるコミュニケーションを得たのかもしれない。もしメールや電話でケンカしそうになったら、まず会う事をおすすめする。逆に妥協したくない交渉には、部下にやらせて、自分は表情を見せず、相手の表情も見ないよう表に出ないことだ。イチローなどの勝負師が無表情だったり、武闘派の人がサングラスをかけたりするのは正しい闘争姿勢なのだ。

その後、サルとヒトが何で分かれたかは分らないが、やはり攻撃力ではなくて、コミュニケーション能力だったのかもしれない。現在のヒトには他の動物にはない白目があり、敵にどこを見ているのか悟られるため、攻撃にも防御にも不利であるはずの特徴といえる。「目は口ほどにものを言う」のも白目のおかげで目もコミュニケーションの役割を果たしているといってよいかもしれない。

埼玉で40代の男性がハムスターにかまれて死んだ(時事通信9月27日)。アナフィラキシーショックというアレルギー反応で持病の喘息を誘発したようだ。ちなみにショックを受けたときは119番も大事だが、傍にいる人まであわてず「大丈夫。がんばれ」というのが良いそうです。10月1日深夜の千葉では不審者を見てペットのネコが「ウー」と唸り声をあげ、主人が目を覚まし泥棒が逮捕される事になった(共同通信10月1日)。この泥棒も40代の男性だった。小動物もがんばってるようで、残念ながら40代男負けがこんでます。小動物が持ちうるコミュニケーション能力で気持ちを表したということか。

以前取り上げた、コアラが繁殖してユーカリがピンチの件 は、4000万円かけて2000匹のメスに不妊治療を施す事をオーストラリア政府は決めたらしい(共同通信10月1日)。処分されるよりいいのかもしれないが、医者嫌いでメス好きの僕としては、メスたちが手術されるのは複雑な心境である。子供が親コアラにしがみつく姿も見られなくなり、彼女達の素敵なフクロは無用になってしまうかもしれない。ところで日本にやたらバッグが好きな女性がいるが、メスとフクロに何か関係あんのか?

カトピテクスの化石が見つかったサハラ砂漠には今もサルの骨が見つかるようである。かつては、広葉樹が生茂り、僕の祖先も営んでいたかもしれない土地である。動物は不妊手術でもしない限り、地球を砂漠にしてしまうのだろうか?

1997年京都議定書が採択され、何種類かの温室効果ガスの排出削減すると聞いて、すげえ画期的だなあと思ったが、何のことはない。2001年ブッシュ政権はあっさり離脱しやがった。批准の遅れていたロシア政府は30日の閣議で、京都議定書の批准法案を正式に承認し、早ければ来春にも発効する見通しとなった(共同通信9月30日)。一方で米国務省のバウチャー報道官は議定書離脱の方針に変更のないことを強調した(産経新聞10月1日)。バウチャーでもブッシュでもケリーでもいいが、俺の目を見て離脱を表明しやがれ。あっさり表明するだろうけど、僕は懐に忍ばしたハムスター君に言う。噛んでよし。その前に僕が噛まれてるか。

Posted at 2004年10月03日 00:00


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