鳥が地球の生態系のトップにいた。
地球に君臨した鳥
5600万年前の北米の地層から発見されたカルポレステスは体長15cmとネズミみたいな小動物であるが霊長類に共通の特徴を備えており、サルや我々ヒトの祖先と考えられている。
恐竜は1億5千年間君臨しつつけ6500万年前頃に絶滅したとされているが、絶滅後すぐに哺乳類の天下が来たわけではなかった。カルポレステスは、まだ木の上で細々とおびえて暮らさなければならなかった。
同時期の化石で発見されたディアトリマという全長2mの肉食の巨鳥は飛べないものの、恐竜のいない時代においてその大きな体格を生かし生態系のトップに立つ。少なくとも人類の500万年程度の期間よりは長くその地位にいたと思われる。
当時の地層には世界各地で巨鳥の化石が見つかっているが、アジアだけは見つかっていない。当時の地形は現在とは全く異なり、現在のアジアが位置する地域は他の土地とは氷と海によって断絶していたと考えられている。
2003年海底探査によってグリーンランド沖合いで直径数キロ、深さ3kmの穴が800個見つかった。5500万年前ごろ、大量のメタンハイドレードが爆発したと考えられ、大規模な地殻変動と温暖化が始まる。遮断していた氷が溶け、アジアに生息していたハイエノドントという肉食哺乳類とディアトリマとの対決を迎える。僕はもちろんテレビのCG映像を見ながら鳥のディアトリマを応援していたのだが、応援の甲斐もなくここにはじめて哺乳類が君臨する事になる。今の鳥達が聞いたら、地団駄を踏む話である。
一方、余談だが霊長類の祖先カルポレステスにとって捕食者が恐竜→ディアトリマ→ハイエノドントと変わっただけで、木の実がなくなれば恐る恐る地上に降りて別の木に移らなければならなかった。しかし温暖化がもたらしたものはそれだけでなかった。4400万年前の地層から広葉樹の巨木が発見されており、温暖化によって広葉樹は地球規模の森を作り、その枝がつくる冠樹(隣り合う樹の枝が重なってできる)によって、ヒト、サルの祖先達は枝から枝へと移り渡れるようになる。危険な地上に降りなくても、餌にありつけるようになったのである。
しかし温暖化と平行して活発だった大陸の変動により陸続きだった南極、南米、オーストラリアは分離し、赤道付近の暖かい海流が南極まで行かなくなることで4500万年前から3300万年前の間急速に気温は下がりつづけたと考えられる。その結果地球規模に広がっていた森は寒いところから姿を消し始め、動物達の生存競争はし烈になる。少なくともアフリカにはまだ森林は残されており、カトピテクスというサルの化石が発見されている。
Posted at 2004年10月02日 23:57
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コメント
adidas ベンチコート からコメント
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Commented at 2013年11月12日 00:49
non woven interlining からコメント
これは佐川が青ざめてますね・・
Commented at 2014年01月15日 00:46