もし彼女がモーニング娘にでもなったら。
脚光を浴びるツバメとスズメ
先週ビッグニュースが飛び込んできた。僕は記事を何度も読み返し、3日間ほど、安眠できず体調も壊した。(暑さのせいか?)
「子スズメが子ツバメ育てる。餌運び、無事巣立ち」(共同通信7月14日)
スズメは今年5月、ツバメは6月中旬に巣から落ちたところを保護された。同じかごに入れられた2羽は当初、つつき合うなど“反発”もしたが、6月下旬からスズメがツバメに餌を運ぶようになった。 スズメはコメやパンくず、虫などを小さくしたり、軟らかくしたりしてツバメに与えていた。ツバメは本来、虫しか食べないとされるが、スズメが運んだものは何でも食べていた。夜は2羽並んで眠っていた。 7月上旬にツバメが巣立ちして、残されたスズメはかごの中で少し寂しそうにしている。
キュート過ぎる。ツバメは必要な栄養を取ることができたのだろうか。無事に過酷な渡りができるのであろうか。よほどツバメのプロか前世がツバメなら、育てることができるかもしれないが、育てたのはスズメ君である。巣立ちできたのが奇跡的だ。
常道ならほっとくか巣に返してやるべき である。親鳥がいなかったり、怪我をしているにしても、普通は育て方も怪我の治し方も知らない。あるいはそばで親が見ているかもしれない。今ごろ親鳥が迷子の広告を出していると想像したら切な過ぎる。別に法律が絶対とは言わないが、野鳥を育てるのは、法律に触れるにもかかわらず、こうやって堂々とニュースになる。こういう場合は「よい子は真似すんな」と記載すべきだ。しかし育てたのはスズメ君というから混乱する。拾ったのは民間の移動動物園の人のようで、動物のプロだから拾ったのだと思わせながら、育てたのはスズメ。
記事によると、5月にスズメ、6月にもツバメを拾ってくるって怪しすぎる。拾ってきた動物で動物園を運営しているのか?しかしスズメは餌をとりに出かけたり、ツバメがこの度、巣立ちをしたというので、安全な巣だけを提供し、放し飼いにしているということだろう。もう一つ奇跡が起こるなら、渡りを終えて翌春、彼女でも連れてスズメと再会するかもしれない。
又、犬のフーチ(メス1年8 カ月)とスズメの記事もあった。
「犬とスズメが友だち」(紀伊民報2004年7月9日)
フーチを散歩させてい たところ、電柱の下でガサガサ動くものにフーチが興味を示し た。蛾(ガ)か何かと思ったが、強く引っ張るため、懐中電灯を 照らして見ると、生まれたばかりのスズメのヒナだった。
いったん保護し、翌朝現場に戻しに行くと、電柱付近に2匹 のヒナが死んでおり、周辺に巣や親鳥の姿などが見られないた め、飛び立てるようになるまで保護することにしたという。
フーチは、スズメに興味津々ながら、いじめたりすることもなく、自分の周囲をうろうろす るスズメを優しく見守っている。
このサイトでは「燕雀の言葉」という、僕の独り言のコーナーがある。つまり燕雀とは僕のことである。辞書を引けば「どこにでもいる者のたとえ」である。害虫を食べるツバメこそ、一時期有害な農薬で数が減ったとされるが、スズメは百科辞典をみると、あたりまえすぎて見向きもされないとまで書かれている人間と密着した鳥である。なのにこんなに脚光を浴びている。付き合っている彼女がモーニング娘になる気分とは、こんな感じだろうか。それとも彼らが脚光を浴びていると思ってるのは僕だけか。
Posted at 2004年07月20日 20:37
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この記事のタイトル: 鳥新聞: 脚光を浴びるツバメとスズメ