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第2羽

鳥と俺の愛と涙と空想2

第一羽 のつづきです。

俺とストレルカの飛行特訓が始まった。俺は仕事と育児の両立だけは心がけていたが、遅々として成果の出ない飛行訓練への苛立ちが、仕事にも影響していた。部長と課長に会議室に呼び出された原因もなんとなく分かっていた。

部長「うちはなあ、通勤2時間半の田舎だから、草むらがいっぱい残ってるんだ。」

と部長の差し出したリボンのかかった箱を開けると、中にはバッタやカマキリなどがいっぱい詰まっていた。

俺「無理して一戸建て買うからですよ。」

課長「しっかり働いてもらわないと、部長のローンが返せなくなるからな。」

部長「一生懸命虫取りしたんだぞ。他にも言う事あるだろう。」

ストレルカ「ぴーぴー」

俺「なかなか柔らかそうな虫ですね。」

それから俺と課長と部長で1時間掛けて、会議室中に飛んではねるバッタをひたすら捕まえた。俺は箱に収めながら部長と課長に感謝し、目の前に虫がいっぱいいることを喜んだ。

俺の肩は徐々に重装備になっている。
まず始めは、爪で上着の肩の部分がほつれてしまったので、マジックテープをつけて分厚い生地を着脱可能にした。つづいて、背中にフンが垂れ流されるので、フン受けを取り付けた。最近、訓練で疲れているのか移動中にストレルカが居眠りをして肩から落ちることがあるので、分厚い生地を大きいおわん型に加工した。スーツの色に合わせて3種類あつらえた。近所のクリーニング屋のおばちゃんに依頼すると1日の納期でやってくれる。

俺「最近左肩が重いんだけど。」

クリーニング屋のババア(以下クバ)「鳥が成長したんでしょ。」

俺「装備をもう少し軽量化できない?実は水飲みできるようにもしたいんだけど」

クバ「あたしの飼ってたハムスターが死んだから、これを右肩につけてバランスを取ればどう?」とネズミ類がくるくる回して遊ぶヤツを差し出した。

俺「ばあさん。俺のスーツで遊んでる?」

クバ「あんたも喜んでんジャン。」

ストレルカ「ぴーぴー」

クバ「今夜は腕が鳴るわー。」

(たぶんつづく)

Posted at 2004年07月03日 21:23


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