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パリジェンヌとドイツ兵

米メリーランド大のＳ・コールマン研究員らは、オーストラリアにすむアオアズマヤドリの観察を４月１５日付のネイチャーに発表した。それによるとオスの求愛行動には多様性が認められ、そこから選ぶメスの判断基準は繁殖期が初めてか１度しか迎えていない経験の浅いメスとそれ以上の経験があるメスでは傾向に違いが現れたそうで、経験の浅いメスは人間が手を加えたものにだまされやすいとしている。それが経験によって趣味が変化するのか、経験の浅い若いメスがはずれくじを引かされているのか分らないが、鳥の恋人選びも大変そうだ。だけど人間はもっと過酷だ。

第２次大戦終盤、連合軍がノルマンディーを経てドイツ占領下のパリに入り駐留中のドイツは降参した。パリの市民は連行されるドイツ兵に暴行をはたらいた。それは連合軍兵士の手におえないほどに怒りに満ちたものだった。その怒りはそれだけに収まらず、ドイツ兵が幅を利かせていたとき彼らになびいていたパリジェンヌに及んだ。ドイツ兵と付き合っていた女はことごとく髪の毛を刈られリンチされたのだ。

そんな彼女らの中には、たまたまの初恋がドイツ兵だった純情な女もいたかもしれないが、いつの時代もギャルは力のあるものに引き寄せられるものだ。そんなギャルを非難するべきではない。ギャルは是非そうするべきだ。マリリンモンローがダイヤモンドは大親友と歌えば男はせっせとダイヤ貯金をするのだ。貯金する労力を惜しんだり、稼ぐ力のないものがそんなギャルたちを非難し挙句の果てお金のかからない性のはけ口を求める。政治経済に疎い純情な女の子をあさる為、出会い系で女子小中学生のメル友を募集したり、経済格差のある東南アジアにブラリひとり旅としゃれ込んだり。

ギャルの皆さんは男の力だけを頼りに近寄るなら慎重にやらないとリンチにあうので注意が必要です。銀座のホステスが政治経済の勉強に抜け目ないのは何も客を喜ばすためだけではない。いくら羽振りがよくっても決してナチス兵と付き合ってはいけないのだ。現状の羽振りのよさだけに惑わされずドイツが降伏するかどうかを見極める眼力が必要であるけれど、あからさまに収入などを聞いてはいけないのはご承知のことでしょう。ほっといても財力があれば男のほうからひけらかします。

中には経済力など関係ないという女性もいるかもしれないが、それはそれで高度なテクニックとして成立する。多くの男はロマンチックな場合が多く、たとえ経済力があってもそれとは別の目に見えない魅力を持っていると思っている。所詮それは常人には目に見えないので理解されにくい。だから実態がないにもかかわらず、「そんなところが好き」なんていわれると理解力のある女性だと感激される。

昔どうしょうもない男と付き合っていた友達がいたが彼女は愚痴りながらも、その男を大事にしていた。そんな彼女にしてやれることは黙って聞くだけで、間違っても俺が幸せにしてやるなんて思っちゃいけない。相手がろくでなしでも愛せるキリストのような彼女を尊敬しなくてはいけない。幸せにしてやるなんて大きなお世話だ。何年かぶりに会ってみると、その男とはとっくに分かれて今回は金持ちと付き合っていた。僕もおこぼれで彼に１度おごってもらったし、既にオヤジと呼べる年齢でそこそこ資産もあるようだったので、パリのドイツ兵のように急に情勢が変わることはないと思う。彼女が賢くなった代わりにかわいげをひとつ失ったかもしれないが、大きなお世話だ。

H16/4/18

Posted at 2004年04月19日 00:12