池田小学校児童殺傷 その後
犯人は小学校に乱入し数人の児童をナイフで殺し、裁判では謝るどころか、もっと殺せばよかったと言って、自ら死刑を希望する発言をしている。事件当時はセンセーションを巻き起こし、小学校の警護強化から児童の防犯機器の携帯などに及び、マスコミは犯人の生い立ちなど関連ニュースを連日報道した。最近そんな凶悪犯に獄中結婚したというニュースがあり、その結婚相手以外にもテレビを見て知った犯人に求愛をしていた女性がインタビューにこたえるのが放送された(2、3日前のテレ朝で午前中に放送してた)。彼女はテレビを通じて犯人と同じ「疎外感」を感じ共感し、文通をするにつれ、彼と結婚したいと思うようになったようだ。
そんなインタビューを聞いた局アナとコメンテーターは、理解できない、理解したくない、不愉快だと口をそろえる。局アナには「マスコミは少しでも犯人像、動機、その背景を理解するために放送したんじゃないのか?」と言いたいし、コメンテーターも局アナと同じ事いってたんじゃ存在価値がねえだろう。細かく何を言ったかは覚えていないが、局アナの第一声は「まったく理解(もしくは共感)しようとは思いません。」だった。局アナがどう思おうがどうでもいい。現実は見境なく子供を刺し殺す人間が存在しうるということ。そういう人間を生み出す原因はよくわからないけど、少しづつでも解明し、なくすことはできなくても、同様の殺人犯を減らす方法、あるいは更正する方法を模索することは、テレビ局が行き過ぎの報道や被害者のプライバシー無視の取材をするときの大義名分じゃなかったか。
911同時多発テロもテレビの人は「理解できない」と言って僕は同じようなことを書いた。最近イラク派遣が決まったころにどこか中東の人が、「日本も敵だ。」みたいなこと言ったと報道され、「日本でテロが起こると思うか」という、アンケート結果が発表されていた。はっきりとした数値は覚えていないが半数前後は「起こる」だったと思うが、いまだに起こらないと思っている人や起こるかもしれないなどと言ってる人がいることに驚いた。地下鉄サリン事件は、911以上に分かりづらいテロだ。拉致事件にしろテロと言う人がいる。かの将軍が拉致を認めた際に言った言葉はたしか「一部の英雄主義的な連中が拉致を実行した。」だった。でっち上げの言い逃れだったかもしれないが、これを聞いてサリン事件との共通点を感じたのは僕だけではないはずだ。こういった事件を経験しているのに「理解できない」で思考停止していいものだろうか。
Posted at 2004年01月25日 19:39
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