鳥新聞

0.鳥新聞トップ/ 燕雀の言葉トップ

<< 前の記事 | メイン | 次の記事 >>

不可算な罪

■生徒の遺書の主な内容■
「遺言　お金はすべて学校に寄付します。うざい奴等はとりつきます。さよなら」
「いじめが原因です。いたって本気です。さようなら」
「ｓｅｅｙｏｕａｇｅｉｎ？　人生のフィナーレがきました　さようなら　さようなら　さよ〜なら〜」
「生まれかわったら　ディープインパクトの子供で最強になりたいと思います」
「お母さん　お父さん　こんなだめ息子でごめん　今までありがとう。いじめられてもういきていけない」（毎日新聞） - 10月14日

ディープインパクトが競走馬から種馬になる引退発表のタイミングでこの遺書。うざい奴等と書いてあるが、いじめた者を特定することは書いていなかったそうだ。なぜ学校へ寄付すると書いたのか。皮肉か、それとも学校というものが少年にとって、大きな存在だったのだろうか。近い将来ディープインパクトの子供が活躍したとき、この少年を僕は思い出すかもしれない。馬をチヤホヤし、馬を繁殖させ、馬を殺し、人をいじめ、時に自らを殺す人間。学校関係者は、教師を含めいじめがあったことを認めながら「教師の言動と生徒の自殺を直接結び付けるのは危険。」と言う。

今朝の「朝ズバ」で数年間の子供の自殺人数と、そのうちいじめを原因とするものの数値をだして、みのもんた氏がカンカンに怒っていた。自殺人数が毎年百数十件あるなかに、いじめ原因とされるものは数年間ゼロとなっていた。情報源を確認していないが、いじめが自殺の直接的な原因なのは明らかである。しかしながら、あくまで自殺の原因であって、死亡の原因ではない。学校はそのへんを詭弁に利用していると思えてならない。

生徒のいじめはともかく、教師のいじめには暴行や脅迫などはなかったのだろう。いじめをした一人一人の罪は、法的にさほど大きなものでなかったにしても、集団で小さな罪を重ねたら、人は人を殺すということである。日本の刑法では罪は不可算である。アメリカには懲役百何十年とかあるけど、日本では死刑にいたらなければ、いくら罪を重ねても無期懲役である。僕は別に不可算でも可算でもどっちでもいいのだけど、不可算と考えるお国柄であれば、１００人で１人を殺した場合、一人の罪は百分の一ではなく、人を殺したという罪である。事実「あの時あんなことしなければ、あの人はあんなことにならなかった」と悔やむ人がいて、「なにもそんなに悔やまなくても君は悪くないよ」などと慰めるドラマなど見たことがある（何が事実だよ）。前者は罪について悔やんでいるのであり、後者は罰はないと慰めているのである。

無断リンク禁止というファンタジーが、また話題になったようだ。プログラマ脳の持ち主ができることとできないことで物事をわけるのは、コーディングに虚数とかを使わないからだろうか。でも分かりやすいし、自分がどのような行動をとるかということより、自分にどのようなことが起こりうるかを考える指標によいと思う。

最低人間氏の場合は、自分ができることはやるが、自分に何が降りかかるかは考え及ばないのではないだろうか。YOKO氏が無断リンクは嫌だというファンタジーの持ち主であるのを知り、せっせと無断リンクを貼る。YOKO氏は最低人間氏に「sine」と書く。最低人間氏はそんなこと言っちゃいけないって先生は言ってたぞ！みたいな事をのたまっている。かわいいねえ。

例えば、ボクサー亀田選手の父がテレビの座談会に出演した時に、やくみつる氏が直接的にさんざん嫌がらせをし、父が「話に来とんのや。戦うんか？」というと、やく氏は「暴力はやだよ」という。かわいいねえ。生放送だから、戦いますかとご丁寧に同意を求めたのであって、２人きりだったらとっくに殴っていただろう。殴ると罪である。嫌がらせも罪である。自殺をすることも罪である。ただ便宜上、罰の重さに違いがあるだけのことである。人によって、罪に無頓着で罰に敏感な人がいたり、先に述べたドラマに出てくるような罰よりも罪を意識する人がいる。むかついた時は罪も罰も関係ねえし、YOKO氏が最低人間氏を殺しても自分を殺しても僕は驚かない。お二人のことは知らないし、まあ驚くけど。

当誌としては、YOKO氏の間違いははてなブックマークで悪口を言う人たちを烏合の衆と呼んだことである。それはあくまで人の群れなのであり、弱いものや自分より経験や知識のない者、ただいじめやすいとか流行で人をいじめる人間の群れであり、鳥はとてもかわいくてかしこくてかっこいいものである。釣師が最低人間氏を人間失格と呼んだが、鳥失格であっても、極めて人間的である。性格が悪いだけである。

関連ソース引用

「教師の言動と生徒の自殺を直接結び付けるのは危険。もう少し時間をほしい」。福岡県筑前町立三輪中学校2年の男子生徒（13）がいじめられたとの遺書を残して自殺した問題で、同校の合谷智校長と町教育委員会の中原敏隆教育長が16日未明、同校内で会見し、歯切れの悪い回答に終始した。（時事通信） - 10月16日

合谷智（ごうや・さとし）校長、この教諭らが、男子生徒宅を訪れ、こうした事実をおおむね認め、両親に謝罪した。この直後、合谷校長は「教諭によるいじめと受け取られても仕方がない。これが自殺につながったと認識しており、申し訳ない」と、自殺との関係を認めるかのような発言をしたが、１６日未明の記者会見では、「教諭の言動がいじめの誘因になったが、自殺と結びつけるのは危険。（私が）冷静さを欠いていた」と発言の一部を撤回した。（読売新聞） - 10月16日

追記

文中の朝ズバの情報は、文部科学省のまとめた数値で１９９９年以降自殺を原因とする小学、中学、高校生の自殺者はいないというものらしい。さっきニュースステーションで言ってた。

Posted at 2006年10月16日 23:39