独占欲
みやげ物の饅頭を何人かで分けて、その配分を頂く。とてもおいしかった。周囲の人間に行き渡り2,3個の端数が余ったようであるが、みんな大人なので遠慮しあって、誰も手をつけようとしない。
子供のころなら、珍しい菓子がお歳暮で送られて来ようものなら、醜い独占欲で自室にキープしたものである。
今はさほど甘いものが好きなわけでもないし、子供のころと違って、お菓子くらい買えるし、珍しいものなど今ではそれほど無い。
一休さんが修行中の寺の住職が「子供には毒」と蜂蜜を独り占めしたのは、蜂蜜が珍しいものだったからである。簡単に入手できるものであれば、小坊主達にも分けていただろう。
独占欲を行使しない事は、なにも大人で立派でカッコいいことなんかではない。ただ珍しくないからだけなのだ。
以前、束縛したがる彼女がいたとき、その独占欲がうっとうしかった。彼女に対しても僕は自分の嫉妬心を見せるような事はしたことが無いと思う。しかしながら恋愛の数十%は欲が占めているはずである。
子供のころは欲を恥ずかしげも無く表明し、思春期を過ぎると大きくなる欲望をさらけ出すのはカッコ悪いと思っていた。でも欲を出すのはちっともカッコ悪い事ではないと思う今日この頃。欲を表明できるのは実は高度なテクニックを要する。別に饅頭がもう一個食いたかったわけではない。
Posted at 2005年06月15日 23:34
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