落伍者
吉本ばなな「だいたい10年前の事を書いている。」
テレビ番組「爆笑問題のすすめ」より
僕は今、10年後あらためて何か書けるような生活を送っているだろうか。
二葉亭四迷「平凡」より
去るもの日々疎しとは一わたりの道理で、私のような浮世の落伍者は反って年と共に死んだ親を慕う心が深く、厚く、濃やかになるようだ。
僕は割と別れた彼女のことが忘れられないほうで、過去を振り返るのは、吉本ばなな然り浮世の落伍者なのかも知れないと思っている。作家と言うのは浮世からは隔絶した世界なのだろう。
荒俣宏「死ぬのが楽しみになりたい。」
テレビ番組「爆笑問題のすすめ」より
彼は作家と言う以上に、博物学者、風水師、翻訳家など様々な肩書きを持ち、テレビなどでコメンテーターもつとめている好奇心旺盛な人物(参考)で、死ぬという経験すら楽しみにしたいと。まだその域には達していないと言っているけど。先を見るのは過去を振り返るよりかっこよいと思う。
僕が高校一年のとき、宿題で「僕の楽しみ」という詩を書いたのを思い出した。国語の教師の朝倉ってのが返却しなかったので、実家に帰っても残っていないのだが、書いた事を少し覚えている。
内容的には、「僕はがんばって生きたいし、がんばって生きるんだけど、僕にはこのままがんばって生きてもらうとしても、面倒くさいので、早く100年ばかり過ぎ去って欲しい。そして天国で雲の上にでも寝っ転がって、ビデオで人生を見直す。」というものだった。
なんだ。やっぱり過去を振り返るのが好きな僕。浮世の落伍者。
Posted at 2005年02月28日 00:26
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