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猫のえさ その2

子供のころ犬を飼っていた。ドッグフードなどをやった事はないと思う。僕が食っているものと同じ物や残り物を食わせていた。言ってみれば残飯だった。肉や魚の骨についた身も食うので、生ゴミの量を減らす役割も果たしていたはずだ。主婦の新三種の神器「生ゴミ処理機」の普及と「ペットフード」の普及に相関関係があるかもしれない。

その犬が死んでからペットはずっと飼っていなかったのだが、僕が家を出た後、行きがかり上、猫を飼うことになった。やりたくもない世話をするはめになった老夫婦は、主にキャットフードを与えていたが、犬を飼っていた経験を生かして、残飯もやる。猫にしてみれば、失礼な話である。もう少し短気な猫だったら、茶碗をひっくり返して、「こんなもん、食えるか!」とどなっていただろう。幸いその猫は、穏やかな性格だったようで、気に入らないものは食わずニャーニャー鳴くという抗議をしていたようだ。

ある日、母親と天ぷらそばを食べに出かけた時、エビのしっぽをティッシュに来るんで持ち帰ろうとする。エビのしっぽは猫が唯一喜んで食べた残飯だったのだ。

そば屋さん。そういう事だから。

Posted at 2005年02月02日 00:00


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