今すぐ会いたいと言われて会ってみた。
今すぐ会いたいの
僕が仕事が面白くなり、忙しくもあったとき、交際していた女性に大雑把な接し方をしていたのかもしれない。浮気をしていたわけじゃないが、ちょうど彼女との付き合いに慣れていた時なのかもしれない。そんなとき仕事中の夕方電話がかかってきた。「話したいことがあるの。今日会いたい。」
今、そんな事だれも言ってくれないが、当時にしてみれば困ったもんだ。定時を過ぎてはいたが、仕事を作るのも仕事なのでやろうと思えばいくらでも仕事はある。上司は「明日できる仕事は明日しろ」というのが飲みに誘うときの決り文句だが、酒とかおいしいものという餌がなければ、その日のうちにできる仕事はとっとと済ませておかないと自分が苦しむだけだ。
彼女は僕の仕事が忙しいのは分かっているし、彼女自身も責任を持った仕事をしているので、今すぐ会いたいなんて無理を言うような子じゃないし、彼女から思い悩んだような声で「話したいことがある」というセリフを言われたときの対処法としては、既にテレビドラマで学習済みだ。僕は「名前はどうしようか」とか「式はどうしようか」などと言った返答を覚悟しながら帰り支度をした。ほとんど食事に手をつけずたいわいもない会話を交わし、小一時間してからしびれを切らして「話って何」と聞いた。そしたらもうしたじゃんと言われた。僕にとってはたわいもなかったわけだ。
笑い話としてたまに思い出すエピソードだが、今思えば同じようなことがいくつかあった。友達がビッグニュースがあるといって、同じようにニュースって何と聞いた。でもよく考えるとそれってたしか女の家に殴りこみに行ったみたいな話で、立派なニュースだった。それにもかかわらず俺は聞き流している(そういうことをよくする奴だった)。俺にはまともな情緒がないのかもしれないとふと不安になる。ほかにも気がつかないうちに人の感情を受け取り損ねて相手に失望を与えているかもしれない。ごめん。
Posted at 2004年06月23日 23:03
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