煩悩と体力
除夜の鐘
子供の頃、毎年のように年越しを除夜の鐘を聞きながら初詣に向かった。通り道にあるお寺では、除夜の鐘をつくために近所の子供とか、カップルとか、親子の行列が出来ていた。僕も何度か列に並んで鐘をついたことがある。1発思い切りつくとなんだかスッキリして鐘突き場を降りると、坊さんが蜜柑かなんかをくれた。
田舎を離れて、数年ぶりに懐かしい神社に初詣に出かけた時、除夜の鐘の聞こえるそのお寺を覗いてみると行列はなくて、タイミングがよかったと思い、喜び勇んで鐘を力いっぱいつく。満足して次の人に綱を渡そうと振り向いても誰もいない。
そんなもんだから、しかたなくついた。何度も力なくついた。坊さんの方をチラリと見たが目をそらしていやがる。
「このまま108回たたき続けなあかんのか?そんなに煩悩ないわー!!多分。」
坊さんが屈伸をしてるなと思ったら、代わってくれた。僕は決して振り向かず寺を後にした。坊さんが鐘をついている姿を想像して涙が出そうになりながら、鐘の音は遠ざかるにも拘らず心に響いた。
Posted at 2005年01月03日 14:48
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