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マシンガンを買いたい人は、自前でお願いします。

Guns And Roses

僕はアメリカの地方都市の町外れが嫌いでない。町行きのバス停で隣に並ぶ人から「にいちゃん｡５０円足んねえから、ちょうだい」と「いい天気ですねえ」みたいな感覚で声を掛けられる。広げてみせる手のひらの中の小銭はがんばって数えても1ドルになりそうにない。小汚いスーパーのレジの横に、牛乳パックひとつ持った奴がいるので、並らんでんのかと聞くと、「よう、調子どうよ｡買いたいんだけど５０円足んねえから、ちょうだい」と言われた。似たような顔をしてたけど同一人物じゃない。なに並んでんだよ！まったく。。僕は気前よくあげるのだが、住み慣れた日本だとなかなかそうはいかない。首都圏の駅で二度ほど言われた事があるが、いずれも帰りの電車賃がないと申し訳なそうに言う。そんな辛気臭い話は嫌いなので、きっぱりと断る。牛乳を買うとか、これから町に向かうとか、薔薇の花を買うというような前向きで陽気な話ならいいのだが。（だからといって「これからパチンコで一攫千金だから、１０００円くれという超前向きな奴に言われても断ります。）

そんなアメリカの町外れをたまたま知り合った韓国人と歩いていた。彼にとって町は物騒な雰囲気をかもし出しているようだ。普段はバスやタクシーを選びがちの彼であるが、僕は歩くのが好きなので、付き合ってもらった。彼は落ち着かない様子で「銃買おうっかなー」というので、本気なのか外国人が買えるのか知らないが日本人にはまず出てこない発想が自然に口から出た事に笑った。彼は「俺、絶対こいつ等より射撃うまいぜ」と続けた。２年ほど軍隊で鍛えられているので、自分への自信と他人への不信が強くなってんのかなとか、僕が持っていない敏感な機能をもっているとか考えない。ただ、鉄砲屋に行って「一丁くださいな」みたいに豆腐を買うようなシーンを想像した。おまけに隣から「５０円足んねえから、ちょうだい」

僕は韓国人と初めて友達になったとき、徴兵の事を「２年間も時間の無駄だな。」と言ったことを後悔している。その後、軍隊生活のシゴキなどを面白ろおかしく聞かせてくれ、心から「いい思い出だな」というと、ＹＥＳと答えた。又戻りたいかと聞いても、決して戻りたいとは言わないだろうし、すべての韓国人がいい思い出だと答えられないとは思うが、彼はいい思い出として語れる陽気さとおそらく苦難から学ぶタフさを持っていたのだ。僕のいい思い出といったら、スピードくじで５０００円当たったことくらいの生ぬるい奴です。２年どころか、どれだけ無駄な時間を過ごした事か。

米国時間で13日、十年間の時限立法として成立していた襲撃用銃器の製造と販売の禁法が期限切れとなり、失効したそうだ。普通のアメリカ人がそれを望んでいないにもかかわらずだ（極東ブログ）。いままで規制していたというのが、Assault weaponsというもので、これが何かといえば、ピストルやライフルと違って機関銃みたいなものを指すようだ。誰が買うねん。店先に並んだAssault weaponを指差して「足んないから５０円ちょうだい」って言ってもやんねーぞ。

Posted at 2004年09月16日 22:51